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幼稚園でお友達のお尻に石を…「性加害者」になる子どもたち。何が起こっているのか

大切な子どもへの性教育、どんな順番で話せばいい?

――子どもに性の話をするのは、なかなかハードルが高いです。 鶴田さん「一度にすべてを教える必要はなく、年齢にあわせて、段階を踏んで話をしていくことが大切です。 未就学児から小学校低学年の子どもには、まずは『プライベートパーツ』の話をしましょう。プライベートパーツは口・胸・性器・おしりを指します。『プライベートパーツは自分の命を守る大切な場所だから、人に見せたり触らせたりしてはいけないよ』と、大切さや扱い方を教えてあげてください。そのうえで、もしも誰かに『悪いタッチ』をされたら大人に言ってほしい、と伝えておくことは、子どもが自分の身を守ることにもつながります」 『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』――小学校中学年になったら、どのようにすればよいでしょうか。 鶴田「女の子に生理がきて妊娠が可能な年齢になる前には、妊娠に関する知識を正しく知っている必要があります。男の子も同様です。妊娠の知識がないと、子ども自身が万一妊娠した時にその事実に気づくことができず、中絶ができない期間になってしまう……という事態も起こりえます。 ただし、中絶や病気などのリスクばかりを強調してしまうと子どもが不安を感じてしまいます。性行為そのものを『悪いこと』だと認識しないように、性行為は本来、生命や愛情を育むとてもすばらしい行為だということも同時に伝えてあげてください」

もしも自分の子どもが性被害にあってしまったら

――万一、子どもが性被害にあった場合、親としてどのように対応すればよいでしょうか。 鶴田「被害にあってしまったお子さんへの接し方で大事なのは『探ること』ではなく『受け止めること』です。もしも子どもが少しでも被害について口にしてくれたら、『話してくれてありがとう』と伝えてあげてください。どれほど動揺したとしても『あなたは悪くないよ、悪いのは相手だよ』ということをまずは伝えます。そのうえで子どもが安心して過ごせる環境を作ってあげてください。 性被害は、暴力です。性的な被害があったとわかった時点で園や学校の前に、まずは警察や児童相談所へ相談をしてください。このような機関には、子どもの性的被害を聴取できる専門家がいます。専門家がいつ・どこで・なにをされたのか正しく聞いてくれます。 何があったのかわかることは、その後の子どもをどうケアしていくかを考える手立てになりますし、加害者の保護者となんらかの話し合いをする時にも重要になります」 小さな子どもである被害者が声をあげにくいからこそ、見過ごされがちな子ども同士の性被害の実態。子どもを被害者にも加害者にもしないため、“今できること”を考えてみてはいかがでしょうか。 【2023/2/28までAmazon限定特典あり】⇒『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』の詳細を見る 【漫画試し読み第1回】⇒「おまた見せろや」5歳で同級生から受けた“性被害”。当時の気持ちを作者に聞いた<漫画> 【漫画試し読み第2回】⇒「裸の写真くれないと死ぬよ?」子どもから子どもへの“性被害”、深刻さは想像以上<漫画> 【鶴田信子】 公認心理師・臨床心理士。スクールカウンセラーやメンタルクリニック、企業、弁護士のメンタルヘルス支援など幅広く臨床に携わってきた一方、犯罪被害者を支援する民間団体で被害者支援、トラウマや死別のケア、PTSDのトラウマ焦点化認知行動療法を専門としている。 <取材・文/楠悠里、女子SPA!編集部 協力/鶴田信子>
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