「それから道中には、『最短距離で“陸”に向かう方法』を伝授されたんです」
陸に向かう方法……。大航海している冒険家か、海賊しか使わなさそうな言葉ですね。

「A子は大真面目に語っていました。なんでも、『
電車は○号車の○番めの扉から出るよ。ホームについたらエスカレーターじゃなくて、このエレベーターがベスト』とか、『土日の○○駅は結構降りる人がいるから、あそこの席は絶対座れる』とか、リサーチがとにかく細かくてすごいんです」
なんでも、「スムーズに列がすすむ&ルート上支障のないおすすめの売店や、トイレなども教えてくれる」そう。何百回も通った経験の賜物(たまもの)だとか。
そして6時前に到着して、およそ3時間の待ち時間を経て、無事入場。もうこの時点で疲れそうです。
「ええ、疲れ果ててます。でもA子は目を輝かせて、
まず園内をゆっくり時間をかけて一周したあとに、アトラクションへ向かいました」
園内を一周? 歩くだけ?
「そうです。なんでも、『人の気配がまだそこまでないランドの世界観や雰囲気を、ゆっくり堪能するのが好き』らしくて。……慣れてるA子は平気そうだったけど、私は4時集合のために2時起きして、6時に着いたのにそこから3時間待たされた時点で疲労困憊。その上で『散歩をたのしも!』とか言われるんですよ。
さわやかな地獄でした」