そして、散歩中にA子さんから“あるスケジュール”が送られてきました。

「
『今日のランドの過ごし方』って書いてあって、乗るアトラクションが分刻みでびっしり書き込まれていたんです。そして、トイレ休憩とか、食事とかも見事に組み込まれていて。こういうのって、一緒に『次どうしよっか~♪』って言いながら決めるのが楽しいじゃないですか。でもA子は違う。ディズニーなめんなよ、と。さすがプロ。さすがオタク。
わたしはもう、考えることをやめました」
プロの前で素人は無力。それにしても、対応できる吉本さんが凄すぎる気もするのですが。
「従っちゃうとラクなんですよ。それに私は詳しくないから、素直に流されていればA子の提案はめっちゃ便利だし。『今のうちにあそこのトイレ行ってね~』とか、『お土産屋さんのねらい目の時間は○時前後』『空いてるコインロッカーはこことそこね』とか。混雑するレストランもだいぶ前から予約してくれたり、もう“ちょっとうるさい添乗員さん”だと思えば、問題ありません」

たしかに、不慣れだと予約やパークの周り方もアタフタしそうですが、慣れているお友達がいれば鬼に金棒ですね。
「ショーもよく見える穴場マップを自分で作ったりしてて、熱狂的なオタク同士で情報交換しているみたいです。さらっと超望遠レンズを構えて、プロ並みの重装備でキャラクターたちを無言で激写しているところを見て、『ああ、この人は完全に“プロ”なんだな』『逆らっちゃいけねえや』と思い知らされました」
少し空回りつつも、全力で楽しませようとしてくれたA子さんには感謝しているという吉本さん。でも、ひとつだけ許せないことがあったとか……。