美しい立ち振る舞いと存在感で観るものを圧倒した冨永愛に、狂おしいほどの愛憎を魅力たっぷりに演じた仲里依紗。どちらも目が離せない演技でしたが、個人的に一番心を打たれたのは、堀田真由×福士蒼汰の物語です。
ゆがんだ生い立ちから心を閉ざし、暴力的に振る舞うことで孤独や不安を紛らわしていた家光。堀田が家光の心の機微を丁寧に演じており、家光の心に寄り添いたくなるのです。彼女が流した美しい涙には、感泣でした。そして、そんな家光を優しく包みこむ有功(福士蒼汰)の姿がまたせつない!ふたりが苦悩しながらも貫いた純粋な愛のカタチに、感服しました。
次に紹介したいのは、非現実的な設定を見事に昇華させた『100万回 言えばよかった』(TBS系、金曜夜10時~)通称「100よか」です。
恋人を失った主人公・悠依(井上真央)と、幽霊になってしまった直木(佐藤健)。そして、幽霊が見え、ふたりの協力者となる刑事・魚住(松山ケンイチ)が、奇跡を起こそうとする姿を描くラブストーリー。

画像:TBS『100万回 言えばよかった』公式サイトより
ドラマが始まる前は正直、
死んだ恋人が幽霊となって現れるなんて…いくらなんでも感情移入できないだろうと思っていました。しかししかし!そうはならないのが、さすが脚本家・安達奈緒子(過去作『きのう何食べた?』『おかえりモネ』)の作品です。想像を遥かに超える展開と、俳優陣の高い演技力で「100よか」の世界観にどんどん入り込んでしまいました。