
ときに冷静に、ときに優しく、後輩のやぎゅうさんにツッコミをする安藤なつさん
――やぎゅうさんは恋愛経験が少ないと仰っていましたが、痩せてから恋愛事情はなにか変わりましたか?
安藤:そうそう、それ聞きたい。
やぎゅう:変わったかと言えば、変わりましたね。マッチングアプリで8人の男性から告白されたり、何人かとデートしてみたり。「スタイルいいね」「可愛いね」って言われることも……
安藤:なにそれ、楽しそう。めっちゃ恋してんじゃん。
やぎゅう:いや……、痩せて分かったんですけど、私“恋愛偏差値2”くらいしかなかったんですよ。内面をこじらせ過ぎていて、超めんどくさい女だって最近わかりました。
安藤:どゆこと?
やぎゅう:元々、学生時代も恋愛にほとんど興味なくて、夢中になっていたのはBL(男性同士の恋愛を描いたジャンル)だけ。だから生身の男性にどう接していいのか分からなかったんですよ。たま~に誰かを好きになっても、「太っているからフラれるんだ……」「おデブだからモテないんだ……」って、自分で“自分の外見だけに問題があるんだな”って思い込んでいて……。
安藤:自分自身が超ルッキズムというか。、いざその脂肪をはがしてみたら内面の問題が見えてきたってこと?
やぎゅう:そうなんです。私、すごく人に対して警戒心が強いというか、疑心暗鬼になりやすかったんです。「鞄を持ってあげる!」と優しくされても、「渡した瞬間に全速力で持ち逃げする気ちゃうか?」って本気で思いますし。食事中にトイレに行かれると、「このままひとりで食い逃げする気か?」「帰るつもりかも?」って不安になって、男性のトイレの近くで見張っちゃう。
安藤:なかなかやべえな。
やぎゅう:恋愛経験が圧倒的にない上に、今まで太っているっていうコンプレックスの塊だったわけじゃないですか。それでコロナ禍で寂しくなって急に恋愛モードに突入したもんだから、ある種のパニック状態なのかもしれない。デートでふいに手を繋がれても、「付き合ってないのになにしてるん!」「なんで私の体に許可なく触るの!?」って思いっきり拒否しちゃう。本当に相手に、「なんで手をつなぐんですか?」って聞きましたからね。
安藤:それで相手は?
やぎゅう:「え、つなぎたかったからですけど……」ってしょんぼりしちゃいました。
安藤:私だったら、「手繋がれたぜフゥー――――――――――――――!!!」って純粋に喜ぶけどな。やぎゅうちゃん的には、その人に脈はまったくなかったの?
やぎゅう:全然ありましたよ。ただ単に、「なんでつなぐんですか?」ってとっさに振り払っちゃっただけで。
安藤:それ、恋愛に発展するフラグ叩き割ってるのよ。
やぎゅう:そうなんですか!? じゃあ「声が聞きたいから電話した」って言われて、「なんで私なんかの声が聞きたいんだろ。監視したいんかな」って怖くなって拒否しちゃったのも、フラグ?
安藤:うん。
やぎゅう:あと、「なんでメールを毎日返さないといけないんですか?」って聞いちゃったのも、フラグ?
安藤:もうすがすがしいほど、見事に叩き割るじゃん。
やぎゅう:もう恋愛偏差値2レベル。2歳児ですよ。
安藤:2歳児なら手はつなぐわ。
やぎゅう:ぐっ………。