そんなロビンは2018年、VSに対するボイコットを呼びかける運動を開始。SNSなどを通じて、VSのショーを見ないことや、同ブランドの下着を買わないうよう呼び掛けた。
「
VSは30年近く、女性たちに美しい体は1種類しかないと言って、この空間を支配してきたわ」
「VSがステージ上ですべての女性を表現すると約束するまで、私はVSショーを完全にボイコットすることを呼びかける。VSは、あらゆる年齢、体型、サイズ、民族の女性の購買力と影響力を認識するときが来たのよ」
結局、2018年のVSショーは例年通り開催。しかし翌年の2019年に、ショーの中止が発表された。
方針転換が迫られたVSはその後、経営を刷新したうえで、多種多様なバックグラウンドを持った女性たちを積極的にモデルに起用。そしてついに、同社の最高財務責任者ティモシー・ジョンソン氏は今年3月、2018年に休止したショーを年内に再開することを発表した。ジョンソン氏によると、生まれ変わったVSショーには、より多様な体格の人が登場するそうだ。
しかし、ファッション業界に多様性が欠けていることを以前から指摘していたロビンは、ステラー誌でこれについて不満をあらわに。「そもそも、なぜ最初からそれを目指さなかったのかが疑問だし、あきれている」と語っている。

かつて「スーパーモデルの登竜門」と呼ばれたヴィクトリアズ・シークレットのファッションショー
かつてはスーパーモデルの登竜門として知られたVSのファッションショー。スリムな女性たちがこぞってセクシーな下着を着用し、ステージ上を闊歩する様子は豪華絢爛そのもの。特に、VSの広告塔である通称「エンジェル」に選ばれることは、モデルにとってはまさに「夢」だった。
毎年大きな注目を集め、1995年の放送開始以来、世界中で数百万人が視聴。しかし近年はショーの視聴率も激減していた。
「ありのままの自分の体を受け入れよう」という風潮が高まるなか、「セクシー=美」という価値観や、やせているモデルたちばかりを起用して批判を浴びたVS。それに加え、親会社であるLブランズの元幹部が「
プラスサイズやトランスジェンダーのモデルを採用するつもりはない」とコメントし炎上したこともあったが…。
今年後半に開催が予定されているというVSショーだが、ロビンや世の中の人々に認めてもらえるようなブランドに生まれ変わっているか注目が集まる。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>