しかも、娘は通っていた保育園の友達と会えなくなることを知ると大号泣。送別会もできないまま東京を離れることになってしまったそうです。
「それが原因かもしれませんが、引っ越したばかりのころはすぐにカンシャクを起こすなど精神的にもすごく不安定でした。新しい保育園に通うようになってからは友達もでき、以前のような明るさを取り戻しましたが、あの子には申し訳ないことをしたと思っています」

もっとも新天地で不安だったのは母親である彼女も同じ。転勤先は博多のような大都市には程遠い南九州の片田舎(かたいなか)だったからです。
徒歩圏内に鉄道駅はない完全な車社会で、おまけに仁恵さんは免許取得後の運転経験がまったくない筋金入りのペーパードライバー。あわててマイカーを購入しなければならず、住まいもマンションから一戸建てに変わり、あらゆる生活環境が同時に変わったといいます。
「しかも、夫は仕事のことで手一杯で家のことはほとんど私任せ。そんな状態ですから彼と口論になることも増え、関係がギクシャクしたことも一度や二度ではありません。
娘だけでなく私たちも結構なストレスを抱え、いっぱいいっぱいの状態だったんだと思います。2か月前とは言いませんが、せめて1か月前に内示が出ていたらここまで焦らことはなかった気がします」
最近は転勤制度を見直す企業が増えていますが、完全に廃止となったのはごく一部の企業だけです。転勤族と呼ばれる人たちは今も大勢いるのが現状になります。それだけに覚悟している人は多いと思いますが、いくらイレギュラーでも赴任直前での内示はやめてもらいたいものです。
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文/トシタカマサ>
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。