横浜流星が「一番シビれる」と断言したシーンに納得。最新作でみせた“異次元の演技”とは
「ひどすぎて笑ってしまう」ダークコメディでもある理由
誤解を恐れずに言うのであれば、本作は「ひどすぎて笑ってしまう」ダークコメディの要素も持ち合わせているとも思う。描かれているのは閉鎖的な村社会における、巨大な権力者からの搾取や同調圧力の問題であり、それは極端なようでいて「確かに現実にもあることだからゾッとする」と同時に「悪い冗談にしか思えなくて笑ってしまう」領域にまで達しているからだ。
その恐ろしく黒い笑いは、横浜流星の演技にも反映されているのではないか。何しろ、横浜流星は「すべてをラストの感情に持っていくため」に、藤井道人監督と話し合いながら表情を作っていき、「もう少し、笑みを2割増し、悲しみは引いて」というオーダーも受けたのだから。そこで横浜流星は「心は泣いているのに、笑っていなきゃいけない」「悲しい表情なのに、心は笑っている」といった矛盾した心境に至っていたそうだが、それでも監督を信じてやり切ったのだという。
描かれたのは「残酷な世界の縮図」
ヒナタカ
WEB媒体「All About ニュース」「ねとらぼ」「CINEMAS+」、紙媒体『月刊総務』などで記事を執筆中の映画ライター。Xアカウント:@HinatakaJeF
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