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スープストック騒動後にお店に行ってみたら…そこには“穏やかな世界”があった

 炎上をきっかけに、見えてきた現実に驚いた。
4月18日、離乳食の無料提供を全店拡大すると発表したスープストックトーキョー。お店ではメニュー表にもしっかり登場しています

4月18日、離乳食の無料提供を全店拡大すると発表したスープストックトーキョー。お店ではメニュー表にもしっかり登場しています

 こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。「食は人生を幸せにする」をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。  先日、SNSでとある炎上が起こりました。それは、スープ専門店「スープストックトーキョー」が4月18日に、一部店舗で実施している離乳食の無料提供を25日から全店で行うと発表したことがきっかけでした。スープストックの子育て世代を応援しようという画期的な試みですが、一部で批判が起こったのです。  その批判内容は、「子ども連れに嫌悪感を抱く」「子どもが増えて迷惑」「今後、絶対に行かない」といったものから、発表時に使用された乳児モデルの容姿に対する中傷にまでおよびました。そしてそれらに対する反発コメントがかぶせられる形で大騒動に……。  そして同サービスがスタートした翌日の26日、スープストックはホームページで理解を求める声明を発表しました。

リアルな現場は、想像と大きく違った!

スープストックトーキョー 今回この騒動について、どちらが正しいかなどを掘り下げるつもりはありません。私は子どもを育てる母の立場ではあるものの、そちらに加担するつもりは一切なく、賛否の感情は公平だと考えています。そして、生きていて感じるのは、そもそも子どもも大人も社会も、矛盾のかたまりではないですか! だからこそもっと違う視点で、今回の騒動を考えてみようと思ったのです。  結論から言いますと、お店に足を運んでみたところ、リアルな現場は想像とは大きく違っていたということです。騒動後、私は何度かスープストックでゆっくりスープを味わい、自分の時間を過ごしてみました。  そしてそこには、騒動の中で繰り広げられている混沌たる状況とは異なる、穏やかな世界が存在していることに気がつきました。  読者のみなさんがどのような立場にいるかはまったく関係ありません。これからお話することが、モヤモヤ感や不快感を抱いている方々の心を少しでもほぐすことができたらいいなと願います。  そして炎上がもたらしがちな、不要なストレスやダメージを回避するヒントになれば幸いです。

お店に行ってみて、驚いたことは2つあった

看板メニュー「オマール海老のビスク」は、高級レストラン級のこだわりが詰まっています

看板メニュー「オマール海老のビスク」は、高級レストラン級のこだわりが詰まっています

 まず、改めてスープストックのスープを飲んでみたところ、「やっぱりおいしいわ……」と心から感動しました。  同店の看板メニューである「オマール海老のビスク」は、職人がカナダ産オマール海老の頭を直火釜でじっくりソテー。そこにトマトや香味野菜を加えて煮込み、ワイン、はちみつ、ブランデー、牛乳、生クリームを加えて、最高の状態に仕上げるこだわりのスープです。  このスープの素晴らしさは、今回の騒動とはまったく別次元。スープストックに行けば、家庭ではなかなか作ることができない本格スープを飲むことができるのです(オンラインショッピングやテイクアウトでも冷凍スープが購入可能)。  そしてもう一つ気がついたのは、想像以上に女性一人のお客が多く、騒動とは関係なく穏やかな時間を過ごしているように思えたこと。彼女たちは読書やイヤホン装着での動画視聴を楽しんでいる様子でした。そこには、子どもへの嫌悪感などは一切漂っておらず、あの騒動を想起するような空気感はまったくありませんでした。それでは、あのツイッターの声はいったいどこから生まれたのでしょうか?
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辛辣ツイートに、心はなかったのか?いや、むしろ…
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