浮気しまくりの最低な夫に、離婚するとき「50万だけあげた」高収入妻の胸のうち
稲森いずみが、不倫夫に復讐する妻を演じる『夫婦が壊れるとき』(日本テレビ系、金曜深夜24時30分~)が注目を集めています。原作は2015・2017年にイギリスでオンエアされて大評判となった『女医フォスター 夫の情事、私の決断』(原題『Doctor Foster』)。2020年には韓国でもリメイクされ高視聴率を誇りました。
夫婦関係や不倫、夫婦間の“復讐”について著書多数の亀山早苗さんが、話題のドラマを読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
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ドラマ『夫婦が壊れるとき』第5話は、精神的に崩壊しそうで、だがなんとか踏みとどまっている陽子に扮した稲森いずみの演技が光る。同時に、夫である昂太(吉沢悠)のクズっぷりに拍車がかかり、愛人・理央(優希美青)の勝ち誇ったような落ち着きぶりにも見ごたえがある。
中絶するはずだった理央が、陽子の前に現れる。
「産むことにしました」
理央がヒールではなく、スニーカーを履いていることに陽子は気づく。昂太のことを言っているのをお互いにわかっていながら、彼の名は出さず、ピリピリしたやりとりが続く。
そして自身の患者でもある弁護士の神崎に、彼女は離婚する相談をもちかけた。
「絶対に失いたくないもの、ありますか。家、親権、財産……」
陽子は意を決したように言う。
「すべて」
すべて持ったまま、夫だけを「排除」する。それが陽子の望む離婚だ。

画像:日本テレビ『夫婦が壊れるとき』公式サイトより
信じきっていた夫が「クズ」だとわかったら……
「そんな男を信じるなんて」とあざ笑う陽子に、「彼は2年間、私を一途に愛してくれましたから」と自信たっぷりに告げる理央。昂太の幼なじみで、陽子の同僚である佳奈子から、ふたりの関係は「たった3ヶ月」と聞いていたため、陽子は動揺する。
家も親権も財産も持ったまま、夫だけを「排除」したい
それにしても、昂太のクズっぷりはいっそ潔いほど。愛人を手放さず、意図的かどうかはわからないが息子を味方につけつつ、妻には「陽子が大事なんだ。だからこれからはもっと陽子のために時間を作る」と平然と言ってしまえる男は、そうそういない。 昂太の場合、妻に見捨てられると、そのまま仕事も人間関係も喪失する可能性が高い。だからこそ妻に嫌われないことが必須だ。理央の父親が資産家だから、完全に父親を味方にできれば話は変わってくるかもしれないが……。


