すると「お姉さんが迷惑だって!やめなさい!」と、あわててその子のママが瑞稀さんの足から女の子を引き剥がして抱き上げると、何度も頭を下げられ謝られたそう。
「その言い方が、何だか面倒臭い人間を黙らせようとしている感じに聞こえてしまい“きっとこのママさんの目には、私って子供嫌いの小うるさい孤独なおばさんに写っているんだろうな”と落ち込んでしまったんですよね」
そして20代のキラキラしたママに「お姉さん」と呼ばれた気恥ずかしさと、また気を遣わせてしまった罪悪感で瑞稀さんは胸が苦しくなってしまいました。
「確かに私は結婚するタイミングを逃してしまい、いまだに独身で子供も産んだことがないですが、子供は好きなんですよ。甥っ子も可愛がっていますし」
ですがそんな言い訳をするわけにもいかず、瑞稀さんはお会計を済ませるとそのママ達に会釈をして逃げるように店を後にしたそう。
「独身なのは悪いことではないし、堂々としていられたら良かったのですが…それからチャイルドシートついた自転車が止まっている時は、そのカフェに入るのを躊躇(ちゅうちょ)するようになってしまいました」
ですが今思うと、そのママさん達に悪気がなかったことも理解できますし、瑞稀さんが独身で出産経験のないことに引け目を感じていたことで過敏になり過ぎていたと感じるそう。
「だけど、また気を遣わせてしまうと悪いなと、おどおどしてしまって。もっと自然に優しく振る舞えたら良かったのですが」

写真はイメージです
そんな瑞稀さんは、スープストックトーキョーの炎上騒動を見て何を感じたのでしょう?
「離乳食を無料で提供するのはすごく良いことですし、それで多少お店が騒がしくなってもいいじゃないかと思います。もしそれが嫌なのなら、静かに食事をとれるお店は他にいくらでもあるので、そちらに行けばいいだけですよね。
今後は、さらなる思いやりを持って子連れのママさん達と接することができたらなと思います」
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop