結婚生活55年、夫婦仲の秘訣は寝る前のルーティーン
――チームというと、夫婦もその最小単位のひとつです。藤さんはご結婚されて55年。奥様と毎晩寝る前に握手されると聞きました。今でも続けているのでしょうか?
藤「習慣ですね。新型コロナが始まってからはグータッチになったんです。でも、もうそろそろ握手に戻してもいいかな。
愛情の確認と、明日会えるとは限らないですからね。朝、お互いもうベッドから起きてこないかもしれないんだから、必ず『ありがとう』と伝えています」
――普段から「ありがとう」はよく伝えているのですか? 意識的に?
藤「たくさん言ってますよ。自然とですね」
――ステキですね。いつごろからそうなのでしょう?
藤「若いころからずっと続けていますね。自分の世代だと、亭主関白が多いイメージかもしれないですけど、そんなことないんですよ。何かをしてもらったらありがとうと。お互いに思い合って、労わり合う。ありがとうと言われたら、自分も言いたくなるし、また自分も何かやってあげたくなる。お互い様です。そんな珍しいことじゃないですよ」
――夫婦という“チーム”が長く続く秘訣ですね。
藤「あとはおしゃべり。そこは若いころと変わりました。昔は黙っていることが多かったです。家でも。でもやっぱりね、なんでもしゃべったほうがいいです。テレビを見ながら、ああだこうだ、たわいもないことでいいので。
昭和の男ってね、しゃべると損だという感じがあるんですよ。“男は黙ってどうの”というのが刷り込まれている。でもそれは間違いだと思います。やっぱり夫婦は話さないと。大事なことだと思いますよ」