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あいみょんが迫られた“選択”…プロ野球「ワイセツ致傷疑惑」と無縁でいられないワケ

レディー・ガガは性的虐待をした歌手とのデュエット曲を削除

 複数の女性がR&B歌手のR・ケリーから性的虐待を受けたとの告発に、2013年にデュエット曲「Do What U Want(With My Body)」を発表していたレディー・ガガはすべての配信サービスからこの楽曲を削除する決断をしました。
レディー・ガガ

レディー・ガガ

<私は1000%この女性たちの味方です。彼女たちを信じています。彼女たちが傷ついていること、痛みを感じていることがわかります。彼女たちの声がみんなに届くべきであること、真剣に受け止められるべきであると強く感じています。>(『ELLEgirl』2019年1月15日配信記事の訳より)との声明を自身のTwitterに発表し、アーティストとして、そして女性としてR・ケリーを断罪したのです。
R.ケリー

R.ケリー

 実際、ケリーがしてきたことは筆舌に尽くしがたいものでした。未成年の少女との性交渉に加え、自身の排泄物を顔や口にこすりつける。児童ポルノとしてビデオを撮影したり、監禁して殴る蹴るの暴行。  全米の注目を集めた裁判は2021年に結審し、ケリーに禁錮30年の有罪判決を言い渡しました。

あいみょんはどう判断するか?

 R・ケリーほどではないにしても、山川選手の一件はそれに近い印象を世間に与えたのではないでしょうか。女性器と下半身の複数箇所から出血するのは異常事態であり、プロスポーツ選手である男性の圧倒的な力によって女性の人権が侵害されたことは明らかだからです。  山川選手の主張する「無理矢理ではない」が本当なのかどうかを抜きにしても、女性を傷つけた事実自体をなかったことにはできないでしょう。
 だからこそ、あいみょんがどう考えているのかを知りたいのです。今後も山川選手が試合に出て自身の曲が流れ続けるとしたら、その状況を許容していると誤解されかねません。  アーティストは作品の中でポジティブなメッセージを発するのが理想的なのだと思います。しかし、その職業以前にひとりの人間であり、女性であるとすれば、見て見ぬふりでは済まない局面もある。  沈黙を守り、ほんわかした愛されキャラを貫くか。それとも軋轢(あつれき)を恐れず発言して、社会的なまなざしを持つシンガーソングライターであることを証明するか。  これはあいみょんにとっても大きな岐路となる一件だと思うのです。
アコースティックギター 楽器弾く女性

写真はイメージです

<文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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