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子どもに“一生モノの能力”を授ける「親との料理」。忙しくても5分からできる3つの方法

②「魚のごった煮」を作ってみる

【向上が期待できる能力】食材への知的好奇心、常識にとらわれない発想力
我が家のお気に入りは、鯛と鮭。いずれもアラの部分でOKです

我が家のお気に入りは、鯛と鮭。いずれもアラの部分でOKです

 続いては、魚料理。煮魚といえば、1種類の魚を煮付けることが固定概念のように思われがちですが、ある有名スーパーにも同様の総菜「魚のごった煮」があるほど、おいしさが保証されているメニューでもあるのです。  10分で何ができるの? と首をかしげる方がいてもおかしくはありません。私が実践しているのは、複数種類の魚を組み合わせて煮つけを作ること。味付けに自信がない場合は市販の煮魚タレを活用すればOKです。  フライパンに煮汁、生姜、ネギ、魚のアラを組み合わせて火にかけましょう。煮汁が沸騰してきたら、中火に落としてフタをして10分程度煮ていけば完成です。  ここで我が子は、驚きの行動に出ました。それは味付けの時に、「おいしくなるだろう」と予想を立てて、白こしょうを加えたのです。  ここで絶対にやってはいけないことは、子どものアイデアをむやみに否定したり叱ったりすること。
魚の煮汁に白こしょうを加えるという発想は大成功でした

魚の煮汁に白こしょうを加えるという発想は大成功でした

 子どもの感性や発想力を大切に温められるよう、最大限の敬意を払いましょう。  たとえ失敗したとしても、臆せずに新しいことを生みだす力を育むことができます。ちなみに白こしょうは結果として大成功。喜びが膨らんで自信につながる経験を積むことができます。

③「簡単パフェ」を作ってみる

【向上が期待できる能力】料理の楽しさに自ら気がつく、完成イメージを頭の中に描く力(空間認識力)
自分のおやつ用として、「たっぷりフルーツのヨーグルトパフェ」を作っています

自分のおやつ用として、「たっぷりフルーツのヨーグルトパフェ」を作っています

 最後にご紹介するのは、①と同様に子どもが大好きなメニューを決めて、なるべくスタートからやってみるということ。  我が家でよく実践しているのが、ヨーグルト、シリアル、果物を合わせるパフェ作りです。完成形をイメージしやすいので、安心して取り組むことができますし、食材準備さえしてしまえば子どもにほぼ全工程を任せることができます。もちろん、包丁などの高度なテクニックを要することはありません。  我が家では会話に広がりを持たせるために、どんなヨーグルトが良いのか? を一緒に考えて、ギリシャヨーグルトを採用することに決めました。このように一緒に考える取り組みを続けていると、食材や栄養に対する興味が自然と芽生え、親の私にどんどん質問をするようになります。  万が一答えられない場合は携帯やPCなどで調べればOK。子どもはもちろんのこと、親が知らないことは一緒に調べればよいのです。この素直な姿勢こそが、一生忘れない教育につながることを確信しています。
果物は冷凍スイーツでもOK。器にお気に入りを選ばせるなど、楽しむ姿勢を大切に

果物は冷凍スイーツでもOK。器にお気に入りを選ばせるなど、楽しむ姿勢を大切に

 さあ、いかがでしたか? 難しい工程はまったくありません。もっとも大事なのは、親が教えてあげるのではなく、同じ目線を持って一緒に楽しむこと。  料理をしない方でも、今日からはじめられることをひとつでも見つけて、時間を決めてチャレンジしてみてくださいね! <文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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