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松本人志について日本人が語りたくなる理由。オリラジ中田の批判が証明した「異質の芸人」の正体

 5月29日のYouTubeチャンネルでのオリエンタルラジオ 中田敦彦の“松本人志批判”が波紋を広げています。  松本人志がお笑いレースの審査員を独占していることについて誰も物が言えなくなっている状況と、「松本さんが『面白い』と言うか言わないかで新人のキャリアが変わる」といった、大きな力を持った個人の価値観がお笑いのトレンドを決定していく閉塞感に疑問を投げかけたのです。 【関連記事】⇒坂本龍一さんが生前投げかけていた大物芸能人への疑問。90年代にはCDプロデュースしたが

上沼恵美子らベテランは中田批判、堀江氏茂木氏は支持

 この発言に対して、各方面から様々な意見が飛び交っています。多かったのは、相方のオリラジ藤森慎吾やナインティナインの二人、爆笑問題 太田光、マヂカルラブリー野田クリスタルのように、中田、松本の両者が深く傷つかないような着地点を探っている人たち。  一方、中田を厳しく批判したのがトミーズ雅や上沼恵美子のベテラン勢。こちらは中田と松本とではステージが違うと一刀両断していました。  対象的に堀江貴文や茂木健一郎などの文化人は中田を支持しています。松本の笑いも映画もつまらないと言い切る堀江に、ダウンタウンを頂点とする日本の笑いとその論じられ方の狭さを嘆く茂木。  そして、公開から1週間以上経過した6月7日現在でも、関連記事が配信され続けていることからも、余波の大きさがうかがい知れます。

誰もが物申したい松本人志という強烈なカリスマ

 中田と松本、それぞれの是非はさておき、こうして見ると、皮肉にも松本人志の存在の大きさが改めて浮き彫りになったと言えないでしょうか。  有名人と一般人を問わず、多くの人がこの件で何か物申したい状況が生まれている。ここまで強烈なカリスマ性を持つタレントは、いまでは松本人志をおいて他にいないのではないでしょうか。  では、なぜ人は松本人志を語りたがってしまうのか。彼のキャリアと発言、そして評論家たちによる“松本人志論”から、その特異な立ち位置について考えてみたいと思います。
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アホを教育してやる笑いのカリスマというストーリー
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