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TV番組で“朝の顔”だった女優が「保育サービス」を立ち上げたワケ。マネージャー2人の退社もきっかけに

性犯罪を恐れる利用者の不安をどう取り除くか

 実際にFluffy Ketの利用者からはどういった声が寄せられているのか。 「ヒップホップダンスを10年ほどやっている女性キャストがいるのですが、親御さんから『身体の使い方を教えてほしい』『ダンスを取り入れたサポートで』とお願いされ、小学4年生のサッカー少年にダンスを教えました。2時間ほどのサポートでダンスを覚えて、それを見た親御さんがとても喜んでくれて、そのお子さんもとても楽しそうにしていて。『またお願いします』と言ってもらったのが印象に残っています」 Fluffy Ket 嬉しい声もあったものの、課題も徐々に浮き彫りになっているという。伊藤さんは「現在は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県の主に首都圏で依頼を受けているのですが、例えば千葉の最東端に住んでいる人からの依頼はなかなか受けられません。キャストの多くは東京在住で、高額な交通費は利用者さんの負担になるため、どうしても断らざるを得ないのです」と口にする。 「また、性犯罪を懸念される利用者さんも少なくなく、任意で部屋にビデオカメラを設置する親御さんもいます。ただ死角も存在するため、今後、子どもの衣服に付けて、子ども目線でキャストの言動を確認できるカメラの導入なども検討している段階です。早急に最適解を出したいと思っています」

キャストは身内を中心に、プロのベビーシッターとして教育

 性犯罪、という言葉が出たが、信頼できるキャストをどのように採用しているのか聞くと、「今は私の大学時代の友人、その友人の友人などに依頼していて、“100%知らない人”は採用していません。キャストが身内ではありますが、行政に義務付けられた研修をしっかり実施したり、実地研修として実際に子ども接してもらったりなど、プロのベビーシッターとして教育しています」と語る。 Fluffy Ket また、キャストに応募するためには何かしらのエンタメスキルが必須条件になるのだろうか。 「私が芸術大学出身ということもあり、採用しているキャストもダンスや英会話など、特技を持っている人が多いです。ただ、エンタメスキルがなければ応募できない、というわけではありません。実際、看護師の資格を持つキャストもいます。エンタメに精通したキャストをはじめ、親御さん、お子さんのご希望に合ったベビーシッターを、個性的なキャストの中から選んでもらえるのではないでしょうか」
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ベビーシッター業界は「1回目」のハードルが高い
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