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TV番組で“朝の顔”だった女優が「保育サービス」を立ち上げたワケ。マネージャー2人の退社もきっかけに

 日本では慢性的に保育サービスが不足しており、子どもを預けられないために渋々キャリアを諦めざるを得ない人も少なくない。そんな中でシッターサービスが増えているのは歓迎すべきことだが、ここ数年で一部サービスにおける事件・事故の報道を見聞きする機会も相次いでおり、利用をためらう人もいるようだ。
Fluffy Ket

画像提供:Fluffy Ket(以下同じ)

 そんな中、今年の4月1日から開始したのが、ダンサーや役者などエンタメ業界で活動する人たちが、ベビーシッターとして保育してくれるサービス「Fluffy Ket」(フラフィーケット)。ユニークかつ需要の高そうなサービスを立ち上げたのは、株式会社Fluffy Ketの代表取締役で、元“おはガール”の伊藤梨沙子さんだ。

歌手による歌遊び、役者による読み聞かせで感受性を育む

 Fluffy Ketは、ベビーシッターを探している保護者と、Fluffy Ketが登録したキャスト(ベビーシッター)をつなぐベビーシッターマッチングプラットフォームだ。公式LINE(@fluffy-ket)から予約できるため、仕事で忙しい共働き世帯にも優しい使い勝手の良さを感じる。しかし、それ以上に「歌手による歌遊び」「役者による読み聞かせ」など、エンタメスキルを持つ人と触れ合うことで、子どもの感受性を育むことも期待できる。
伊藤梨沙子さん

株式会社Fluffy Ketの代表取締役で、元“おはガール”の伊藤梨沙子さん

 伊藤さん自身も小学生時代から芸能界で活動しており、『おはスタ』(テレビ東京系)で“おはガール”を務め、現在に至るまでいろいろなドラマや映画に出演しているバリバリのエンターテイナー。そんな伊藤さんがFluffy Ketを開始した背景、また現状の課題など話を聞いた。

子どもたちに笑顔を届け、忙しい親たちの力になりたい

 まずFluffy Ketをリリースした経緯として、「私は10代から芸能界で活動していました。その中で『比較的時間の融通がききやすい』という理由から、大学在学中にベビーシッターとしても働いていました」と振り返る。 Fluffy Ket「子どものお世話をしている時、感情を込めながら本の読み聞かせをしたり、戦隊モノの登場人物の決めポーズやセリフを完璧に覚えて披露したりすると、すごく喜んでもらえたんですよね。その笑顔を見ることが他の何にも代え難いやりがいでした。と同時に、これまで培ったエンターテイメントのスキルがベビーシッターという仕事に活用でき、より多くの子どもに笑顔を届けられる可能性があることに気付いたんです。  また、私のマネージャーさんがこれまで2人、子育てと仕事の両立が難しいという理由で退社していたこともきっかけの一つです。子どもを産んで育てるというのはとても素晴らしいことですよね。にもかかわらず、そのためにやりたい仕事を辞めなければいけない人がいる現状には違和感を覚えていました。ですので、そういった人たちの味方になりたいと思って今回Fluffy Ketを立ち上げました」  サービスを開始するまでの苦労としては「社会人経験がないため、『起業しよう!』となった時は、仕事関係の人に送るメールに絵文字をつけたりなど、今思えば恥ずかしいミスをたくさんしていました」と思い返した。
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性犯罪を恐れる利用者の不安をどう取り除くか
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