子供の安全を守るアイテムで、肩身の狭い思いをする親たち
――子供の安全を守るためのものなのに……。
西野「
そもそも子育てでラクをして何が悪いのでしょうか? 子供の安全のためにハーネスをつけているのに、なんでこんなに肩身の狭い思いをしないといけないんだろうと思いました」

「【子供の安全第一】ハーネスリュック」(画像:ヴィレッジヴァンガードオンラインストアより)
――「使用している時の見た目」で文句を言われることが多いんですね。
西野「私も出産して、息子が歩くようになったら『目が離せない』という状況が多くなりました。息子は乗り物が好きなので、
車道の方に突然走って行くこともあったんです。わが家でもそろそろ子供用ハーネスの導入を検討しようかなという時に、SNSでまた子供用ハーネスを『使う』『使わない』で論争が起きているのを見ました。『何年も前から何度も議論されている話題なのに、まだ解決してないの!?』と衝撃を受けました」
「こんなハーネスがあればいいのに!」を考えてみたら
――ずっと同じ議論が繰り返されていたんですね。
西野『息子と散歩をしていると、どんなに気をつけても、突然手を振りほどいでどこかへ行ってしまうことがあります。小さいので車の運転手の死角にも入りやすく、一緒に歩いている私でも見失ってしまうことがあります。
『ちょっとそこまで』の散歩でも神経をすり減らして常にへとへと。それなのに、子供用ハーネスを使うと文句を言われる……。それで『こんなハーネスがあればいいのに!』という案をTwitterに投稿しました。そこで大きな反響があったんです」

画像:西野みや子さんのTwitterより(2021年11月2日)
――約2万件のいいねと「ぜひ商品化を」というリプライがたくさん届いていましたね。
西野「はい。使っていても誰からも文句を言われない。
誰が見ても、子供の命を守るためにハーネスをつけていることがぱっと見でわかるデザインを投稿しました。極限まで命綱感を高めたハーネスです。思った以上に反響が大きくて、『商品化してください』というママたちの声を多くいただきました。
同時に、ハーネスを使っている時に嫌な思いをしたというリプライもたくさん届きました。まわりの反応が怖くてハーネスを使えなかったという声もありました。
アイデアを投稿して、みなさんの切実な声を聞いているうちに、『堂々と使えるハーネスを自分で作ろう!』と決心しました。使っていても誰からも文句を言われない・言わせない子供用ハーネスです」