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「不妊の悩みに靴下」?!妊活やアトピー、子育てママを惑わせる怪しい健康情報の罪

―連載「沼の話を聞いてみた」― 「信仰してないからがんになった」――そうたたみかける親戚の言葉をうのみにして、母が超大手新興宗教に入信したという過去を話してくれたのは、40代の橋本佳子さん(仮名)。 しかし信仰活動でがんが治るハズもなく、標準治療へ進み、その後再発。そして次なる沼、各種健康食品にハマった後、手当のかいなく亡くなった。 【前回記事】⇒「信仰しないからガンになったのよ!」母が診断されてすぐ新興宗教信者の親戚がやってきた。一変した家族の生活とは
がん母闘病沼202308

※写真はイメージです(以下同

佳子さんの母のように、がんを患い民間療法や健康食品に手を出した有名人は数えきれないほどいる。

標準治療を拒否した有名人たちも

有名どころでは、食事療法でがんに立ち向かおうとしたスティーブ・ジョブズ。乳がんで亡くなった、さくらももこや小林麻央。「がん放置療法」でぬか喜びを味わったと言われる川島なお美。 代替療法を経て亡くなった母親から「みそ汁」を受け継いだ女の子の物語、『はなちゃんのみそ汁』(安武信吾・千恵・はな著 文藝春秋)は美談として人気が高い。 がん母闘病沼202308佳子さんは現在、2児の母だ。

アトピーで泣く子を前に

がんによって沼めぐりをすることになった実母を見ていてもなお、自分自身が妊娠出産子育てをするなかで、母のように藁(わら)にすがろうとした瞬間がたびたびあるという。 「うちの子どもがアトピーなんです。するとあれこれ調べ、脱ステロイドとかホメオパシーとかのほうが自然でいいんじゃないか? なんて思ったり。『ステロイドは怖い!』とか力強く書いてあると、不安になるじゃないですか」 がん母闘病沼202308「でも結局はいい小児科医師に出会えて、ステロイドでちゃんと治ると励まされ、実際そのとおりになったんですけどね。なんか必死になると……民間療法とかにふっと心を持ってかれることがある。だから母のハマった沼が、すこしは理解できるようになりました」 子どものつらさを取り除いてあげたいという、親心があればなおさらだろう。
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妊活まわりも、あやしい健康情報だらけ
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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