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「嫌いな女子アナ1位」元ぶりっこ女子アナの変貌ぶり。好感度上昇のワケとは

等身大の自分を表現する俳優像

テレビ朝日『M 愛すべき人がいて』公式サイトより

テレビ朝日『M 愛すべき人がいて』公式サイトより

 フリーになった田中は俳優業に進出するのだが、当時の演技は、お世辞にもほめられたものではなかった。演技初挑戦となった『絶対正義』(東海テレビ、フジテレビ、2019年)や『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日、AbemaTV、2020年)で演じた眼帯の悪女はあまりに力んだ芝居がやや滑稽に映ったからだ。  ところがどうだろう、映画初主演を果たした『ずっと独身でいるつもり?』(2021年)で演じた人気エッセイスト役など、本人とうまくコミットする役柄に当たるようになってからは。元局アナの肩書きがいらないくらい、俳優然としてきた印象だ。  奈緒主演の不倫ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ、2023年)では、セックスレスの4人の主要人物中、唯一不倫をしない副編集長・新名楓役を好演。夫・新名誠役の岩田剛典を前に、剥き出しになることも着飾ることもなく、さりげないたくましさだった。  役を通じて等身大の自分を表現する俳優像が、おそらく現在の高い好感度につながったのだろう。女性ファンの共感を得たことが大きかった。バラエティ番組のMCだけでなく俳優としても生きていこうとする田中を純粋にカッコいいと思い、その背中に憧れる存在になったのだ。

すべてが自然の流れのよう

 等身大の姿は、日々の美容にも自然なストイックさをにじませる。でも色んなインタビュー記事を読んでいると、田中本人の口から、「私は美容に力を入れていて」うんぬんなどの表現はまったく見つからない。  あの美肌を見れば、人には見えないところで美容の努力をしていることは確かなのだが、それをわざわざ言わない。事実、頑張っているのにそれをあえて言わないことで変な謙遜と取られることもない。  すべてが自然の流れのよう。打算も何もない。ただそこにぽんといるだけ。好感度キャラに変貌を遂げた田中は、どんな悟りを開いたのか。計り知れない人だ。
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一周まわって“悪女”を極める
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