「泥沼展開は意識していない」なぜ世界2位?プロデューサーが語るNetflix『御手洗家、炎上する』が支持されるワケ
永野芽郁さんと鈴木京香さんのバトルを軸に、復讐劇と人間ドラマが展開していくNetflixシリーズ「御手洗家、炎上する」(全8話)。
配信スタートから約1カ月となる今も「見始めると止まらない!」と、その勢いを全く落とさず非英語シリーズでのランキング上位をキープ、2位にまでランクインしました。
リベンジものが人気とはいえ、どうしてここまでの支持を得ているのか。イッキ見を可能にした制作サイドのこだわりとは?
本作を手掛けた春名慶プロデューサーに前後編にわたってインタビュー。前編ではキャスティングのこだわりなどを聞きました。
※記事内はネタバレを含みます。
――世界ランキングで上位をキープし続けています。してやったり!といったところでしょうか。
春名慶プロデューサー(以下、春名P)「Netflixさんの企画選定の勝利でしょうね。今は、世界的にリベンジものがブームになっている中で、そういうジャンルを好む視聴者の方に作品を届ける下地があったことは大きいと思います。ただ感想コメントなどを読んでいると、ドロッドロの韓国ドラマを見ている方からはやや日本ならではの優しい印象があるようですが……」
――ドロッドロはもともと重視していたポイントではなかった?
春名P「そうですね。凄惨な結末が待っているお話だったら、僕は手掛けるのを躊躇したと思います。愛ある終わり方、ヒューマニズムある着地ラインが待ち受けていたからこそ、この復讐劇を映像化することに身を乗り出せたのだと思います」
――結果的には、愛ある着地点が世界にも受け入れられたと。
春名P「ヒューマニズムというのは万国共通だと思いました。母が子を守るとか、人としての情とか、愛の力とか、そういったものを、世界的なコモンセンスとして共感してもらったからこそ、おもしろさを見出してもらったのかなと感じています」
――本作は藤沢もやしさんの人気コミックが原作です。代々病院を経営する御手洗家が全焼。両親が離婚し母のもとで育った村田杏子(永野芽郁)が、13年後、家政婦として御手洗家の後妻である真希子(鈴木京香)の前に現れます。キャスト全員が絶賛されていますね。
春名P「こだわったのは逆張りのキャスティングでした。視聴者が抱くパブリックイメージへのアンチテーゼです。永野さんは映画では『マイ・ブロークン・マリコ』などがありますが、普段の連続ドラマでやっている役は、こういうタイプではありませんし、京香さんも近年は朝ドラなどでいいお母さんのイメージがありました。逆張りで、きちんと役に奥行きと説得力を持たせられるキャスティングを目指しました」
――永野芽郁さんと鈴木京香さんは初共演です。
春名P「カメラテストで、おふたりが対峙した姿を初めて見ました。1話目で真希子が『もしうちのものを盗ったら容赦しないから』と言って去っていくのを、杏子が後ろから睨むというシーンだったのですが、その時点でふたりの距離感や目線、関係性はすでに出来上がっていました。圧倒されましたね。
永野さんも取材で話していましたが、鈴木さんは普段、本当に穏やかな方なんです。でも真希子という立ち位置に入るとスイッチがバシっと入って、その目ヂカラに吸い込まれるような怖さがあります。顔合わせでのリクエストだった『悪の権化になりきってください』を見事に体現してくださったなと思います」
――永野さんはどうでしたか?
春名P「杏子としてもそうですが、永野さんは、京香さんに俳優としても対峙していくわけです。それが本作の課題であったでしょうし、醍醐味だったんじゃないかと想像します。6話ラストで『お久しぶりです。御手洗杏子です』と身バレを自ら宣言するシーンがあるのですが、あの芝居をモニター越しで見た時に平川(雄一朗)監督と『この瞬間、杏子のほうが鬼になったね』と感服しました。現場にもいい意味での緊迫感がみなぎっていました」

Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(Netflixにて独占配信中)
リベンジものが世界的ブーム、でもなぜ

Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(Netflixにて独占配信中)
最初から関係性が出来上がっていた永野芽郁と鈴木京香

Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』(Netflixにて独占配信中)
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Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」はNetflixにて独占配信中
原作:藤沢もやし/脚本:金子ありさ/監督:平川雄一朗、神徳幸治/出演:永野芽郁、工藤阿須加、中川大志、恒松祐里、北乃きい、濱田マリ、小西桜子、吉瀬美智子、及川光博、鈴木京香/音楽:小林武史、エンディング:Vaundy「カーニバル」
原作:藤沢もやし/脚本:金子ありさ/監督:平川雄一朗、神徳幸治/出演:永野芽郁、工藤阿須加、中川大志、恒松祐里、北乃きい、濱田マリ、小西桜子、吉瀬美智子、及川光博、鈴木京香/音楽:小林武史、エンディング:Vaundy「カーニバル」