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「泥沼展開は意識していない」なぜ世界2位?プロデューサーが語るNetflix『御手洗家、炎上する』が支持されるワケ

Netflixならではの自由度

――ものすごく引き込まれながら、同時に「え、まだ6話! あと2話ある!」と驚きとともに最後までイッキに見続けました。 春名P「そうなんですよ。原作を読んだときにもページを捲る手が止まりませんでした。まさにこの作品は、ラグビーボール。どこに転がっていくのか分からない」 ――言葉通りのイッキ見作品です。そうさせるための仕掛けとして、まず1話ごとの分数が決まっていませんね。 春名P「原作が8巻で、ドラマも8話構成です。なので単行本の巻割とエンディングをほぼ一致させています。原作の次巻へのクリフハンガーがもともと秀逸だったので。ただ1話は僕がこだわらせていただいて、原作の2巻の途中でのエンディングにしました。 『よし行くぞ!』と主人公が立ち上がった状態で終わらせるのではなく、復讐劇なのに『え?いきなり失敗してんじゃん』と一度落とすことで視聴者を引き付ける。そのために1話目は54分あります。2話は41分。主題歌を入れないと40分を切るアンバランスさに、平川監督からは、『本当にこれでいい?』と8回くらい確認されました(笑)。僕としてはNetflixならではの自由度がありがたかったです」

真希子の“闇日記”はドラマオリジナル

――ほかにも視聴者を逃さないために工夫された部分を教えてください。 春名P「5話目は、原作では真二(中川大志)が柚子(恒松祐里)を追いかけ『やっと会えた』で終わっているのですが、もやし先生に提案させていただいて、原作にない真希子の“闇日記”を登場させました。杏子の親友のクレア(北乃きい)が真希子のパソコンを開けたら隠しファイルがあって、そこに過去の赤裸々な真希子の露悪を見つける。原作の秀逸さにたがわぬように、より強く、次の話に続いてもらうための仕掛けにこだわっていきました」 明日公開予定の後編では、冒頭の御手洗家“炎上”シーンの撮影秘話などについて聞きます。 <取材・文/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi
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Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」はNetflixにて独占配信中

原作:藤沢もやし/脚本:金子ありさ/監督:平川雄一朗、神徳幸治/出演:永野芽郁、工藤阿須加、中川大志、恒松祐里、北乃きい、濱田マリ、小西桜子、吉瀬美智子、及川光博、鈴木京香/音楽:小林武史、エンディング:Vaundy「カーニバル」
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