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酒井麻衣監督が語る『夜きみ』中高生がマネしたくなる胸キュンシーン誕生秘話

監督からお願いしたこと

夜きみ――監督から2人に対してオーダーしたことはありますか? 酒井監督「白岩さんに関しては、けっこう稽古を重ねさせていただきました。どうしても初主演、映画初主演ということで。とってもまじめな方なので、1回目にお会いして、次に会ったときにはもう脚本を全部覚えられてきていて。逆に“お芝居をやらないといけない”と肩の力が入りすぎているように感じたんですよね。だから“お芝居をするっていうよりかは、実際に青磁がいて、青磁になったらっていうふうに考えてみてください”って伝えました。 久間田さんも役作りで声を作ってきてくれたりしたのですが、ご本人の声が素敵なので自信を持って、もう少し自然体でやってみてくださいって伝えましたね。それから、細かい部分での感情のすり合わせをしました。技術的なところよりも」 ――酒井監督のこれまでの作品を振り返ると、すごく繊細な感情の動きが魅力だなと一視聴者として感じています。そこは俳優さんと細かく擦り合わせているんですね。 酒井監督「そうですね。あとは適切な場所にカメラが入ること。感情が動くときに、果たしてどこで捉えるのかによって同じ表情をしていても映り方が違うので、そこのアングルや光、美術の小物とか、服とかを決めていって、総合的に心情が見える画(え)作りをしています。

令和の胸キュンシーン誕生秘話

夜きみ――印象的だったのが、離れている2人が音楽を共有し合うシーン。 酒井監督「あそこは映画のオリジナル部分なんです。やっぱりラブストーリーって普遍的なものだと思うんですけど、今の中高生が見たときに“マネしたいな”とか、“こういうの憧れるな”って思ってもらえたらいいなと思って。他のクラスメイトがいる中で、離れているけど、一緒の曲を聴いているっていうのはいいなと」 ――手書きで書いた文字を写真で撮影して送るのも最高でした。 酒井監督「あれは2段階あるんです。まず、曲を無線で繋いでペアリングする。あれ?って思ったところで、エアドロで“この曲、良くね?”っていうのが届くんですよね。それをによって、何が表現できるかというと、2人が連絡先を交換していないというのがわかるんです。そこでデジタルだけど手書きで交換日記するみたいにして」 ――なるほど。ある意味で現代のラブストーリーでありながらも、音楽をシェアしあうのは青春の鉄板なわけですね。 酒井監督「そうですね。やっぱり好きな人の好きなものって好きになっていくと思うので。茜も青磁を通して絵を好きになったと思いますし、好きな人が何を聴いているんだろうとか、そういうことを知りたいだろうし、自分の好きな曲を知ってほしいと思うと思うので、2人の恋が芽生え始めるシーンとして入れました」 <取材・文/於ありさ>
於ありさ
テレビ・ラジオ・映画・アイドル・お笑い・恋愛番組・ガールズムービー…とにかくエンタメ好き!サウナと旅で体を癒しながら、マイメロディに囲まれた自宅でエンタメ漬けの毎日を送っている。
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(C)映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会 【STORY】 無彩色で息苦しいこの世界。救い出してくれたのは、“私を嫌い”な君でした――。 マスクが手放せず、周囲の空気ばかり読んでしまう「優等生」の茜。 自由奔放で絵を描くことを愛する、銀髪のクラスメイト・青磁。 何もかもが自分とは正反対の青磁のことが苦手な茜だったが、 彼が描く絵と、まっすぐな性格に惹かれ、茜の世界はカラフルに色づきはじめる。 次第に距離を縮めていくふたりの過去がやがて重なりあい、初めて誰にも言えなかった想いがあふれ出す――。

 

出演:白岩瑠姫(JO1) 久間田琳加

   箭内夢菜 吉田ウーロン太 今井隆文 / 上杉柊平 鶴田真由

監督:酒井麻衣 

原作:汐見夏衛「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」(スターツ出版 刊)

脚本:イ・ナウォン 酒井麻衣

音楽:横山克 濱田菜月 主題歌:JO1「Gradation」(LAPONE Entertainment)

製作:『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース

配給:アスミック・エース

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