この“受け止める力”こそが、本作の夫役はもちろん、そもそも松下に備わった力のように思います。松下が注目を集めた2019年のNHK連続テレビ小説『スカーレット』でも、戸田恵梨香演じるヒロイン・喜美子の夫・八郎。夫婦でで切磋琢磨しながら妻を支える姿が「#八郎沼」と大きな反響を呼びました。

画像:TBSテレビ 金曜ドラマ『最愛』公式サイトより
そして松下が本格的にブレイクしたドラマ『最愛』(TBS系、2021年)では、殺人事件の重要参考人となる主人公・真田梨央(吉高由里子)の初恋の相手であり、事件の真相を追う刑事でもある大輝を演じ、ここでは「#大ちゃん沼」を巻き起こしました。強さと優しさをもって梨央に寄り添い、立場からくる切ない葛藤で視聴者の心を鷲掴みにしたのです。
以降も
相手役を受け止めるその包容力で、数々の作品で存在感を放ってきた松下。ドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系、2022年)では、上流社会の一族に嫁いだ女性(土屋太鳳)を支える夫、日曜劇場『アトムの童(こ)』(TBS系、同)では天才ゲームクリエイター(山﨑賢人)を真逆のキャラクターで支える親友、前クールのドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』(カンテレ・フジテレビ系)では元弁護士の異色の探偵(天海祐希)の相棒役を務めました。
もちろん役ごとに印象は変わるものの、どのキャラクターにも松下洸平の包容力、いや、“圧倒的な受け止め力”は共通しています。それが『最高の教師』でも発揮されており、仕事や育児や勉強を頑張り続ける女性たちにとっての、国民的“夫”に松下を認定したい! と思わせるのです。
犯人説も浮上していますが、最後まで“最高の夫”でいて欲しいと願うばかりです。
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