星野源が明かした“裏側”にゾクゾク。人気番組でなぜ6曲もエンディングを作ったのか
毒も笑いも悩みも答えも、考え抜かれ作り込まれたもの
佐久間Pはエンディング・テーマを星野に作ってほしいと思いながらも自分からは頼めないと思っていて、そんなとき星野が自ら作りたいと申し出たのだそうだ。佐久間ほどのプロデューサーでも星野に新曲を頼むことには躊躇(ちゅうちょ)がある。 にもかかわらず、春日は、オードリーの東京ドームライブの曲を作ってほしいとわりとカジュアルに頼む。さすがの星野も、雑なオファーはきっぱり断る。 やっぱりなんでもかんでも引き受けるわけではないのだなと思って聞いていると、春日がピアノの弾き語りする曲を作ると条件を出して、結局は引き受けるのだ。星野源、偉人! と思ったら、実は事前に曲を作ることは決まっていて、春日を驚かせる趣向だった。即興と作り込みの絶妙な混ざり。 こんな感じで、毒も笑いも悩みも答えも、すべてがどストレ―トではなく、考え抜かれ作り込まれたものなのだろう。だからこそ、手渡されたら、大事に、あらゆる角度から鑑賞し、深めたい。 <文/木俣冬>
木俣冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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