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「そんなバカな~」な展開に驚いた、話題のドラマ最終回。“40歳女優”の存在感で腑に落ちてしまう

安田顕が泣くたびに、私も涙を流しました

本作では人と人が寄り添う姿が多く描かれたからこそ、ときに“ご都合主義”と揶揄(やゆ)される展開もあったかもしれません。そんな中でも必ず毎話、ズシッと心に響く言葉を受け取ることができたのは、安田顕と片平なぎさの名演があったからだと思います。 これまでのレビューでも触れてきましたが、有栖の父・市郎を演じた安田は父親としての葛藤、怒り、優しさを繊細に表現。ヤスケンが泣くたびに、私も涙を流しました。 瞳子の母・貴美子を演じた片平も、結婚も出産もしないという娘と向き合う母親の姿を、リアルに演じていたと思います。彼女が娘にかける言葉に、ときに傷つき、ときに励まされ、筆者自身が心を揺さぶられました。

主人公の親同士の会話

最終話で、市郎と貴美子がふたりだけで語るシーンがありました。有栖は市郎と過ごした実家に戻り、瞳子も貴美子が暮らす金沢に戻るという方針を決めた後のことです。 貴美子は「私は(瞳子に)お世話になるつもりはない」「たとえ親子とはいえ、それぞれの人生」だと思っていると伝えます。市郎も、今は有栖と海のことをできる限り助けたいが「それは、いずれはちゃんと自分たちの力で、自分たちのやり方で、生きていく準備期間」「親が子どもに残せるって、それくらい」と語りました。 自分には自分の人生が、生き方があるように、親にも親の人生と生き方がある。その視点を、安田と片平がリアリティをもって表現したからこそ、少し突飛な設定の本作の物語全体に、説得力をもたせていたのだと感じました。 ======= この夏クールは、考察系のドラマとラブコメ作品に勢いがありました。そんななかで『18/40』は、少し立ち止まって人生の選択を振り返りたくなる人間ドラマとして、私たちに寄り添ってくれたと思います。 <文/鈴木まこと(tricle.llc)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201
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