サッカー部のエースがなぜ大事な試合の前に事故?ジャンル分けできないおもしろさにファンが静かに増殖中|ドラマ『何曜日に生まれたの』
このドラマをジャンル分けするのは難しい。恋愛ドラマであり、ミステリー要素もあり、ヒューマンドラマ的な側面もある。
朝日放送テレビの日曜ドラマ『何曜日に生まれたの』のおもしろさは、静かに、波立つように広まっている。本記事では、通称・ナンウマの魅力を言葉にすることに挑戦したい。
高校時代に経験した“とある事件”により、引きこもり(通称・コモリビト)になった黒目すい(飯豊まりえ)。当時サッカー部のマネージャーだった彼女は、エース的存在だった雨宮純平(YU)とともにバイクで海に出かけ、事故に遭う。どちらも一命をとりとめたものの、純平はその後、試合に出ることはかなわなかった。
なぜ彼らは、大事な試合の前に、バイクで海へ出かけたのか? それが、このドラマの最大の謎として君臨する。
すいは長らくコモリビト生活を送っていたが、漫画家である父・丈治(陣内孝則)が、カリスマ的ラノベ作家である公文竜炎(溝端淳平)と組んで新しい漫画を作ることに。すいの人生、いわばコモリビトになるきっかけとなった事件をモデルに、物語を組むことなった。
作品のため、10年ぶりにコモリビトから脱却したすいは、当時のサッカー部員・江田悠馬(井上祐貴)や、もう一人のマネージャー・江田瑞貴(若月佑美)らと再会する。彼らとやりとりをするうちに、例の事件の真相にも近づいていくことになる。
大きな謎を解き明かしていく過程は、求心力のあるミステリーとしてぐいぐい引き込まれる。そのなかで、彼らのあいだを縦横無尽に飛びまわる恋愛の矢印が、生々しいほどに浮かび上がってくる。
公文や丈治の担当編集者である来栖久美(シシド・カフカ)は、彼らがつくる漫画を「鮮烈なピュア・ラブストーリー」として世に送り出そうとしている。しかし、少しずつ透けて見えてくるのは、あまりピュアとは言い難い思惑や疑念だった。
恋愛+ミステリー+ヒューマンドラマ
不穏な空気感漂う
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