さらに高橋さんの母親が受けている介護支援サービスは、コロナ下でも一度も休みにならず、そのことも疑問に思ったのだとか。
「ひとり暮らしの母は介護支援のショートステイに通っていました。
介護支援というと大げさに聞こえますが、介護が必要になる状態を予防するために、簡単な体操をしたり、高齢者が集まって談笑したりするような内容です。そしてその場所は母によると、30人~40人が一か所に集まって体操をするようなところ。それって『密』じゃないのかな? と疑問に思いました」

そんな「密」な高齢者向けサービスが止まることなく継続するなか、幼稚園は閉園。高齢者は運動をしないと体力が一気に落ちるので、高橋さんの母親にとってはありがたいことでしたが、老人が密に集まるサービスが止まらなかったことは、やはりおかしいと感じざるを得なかったそうです。
高齢者ファースト問題は、テレビで取り上げられない?
高齢者の支援は当然のように続き、子どもたちやその親は我慢を強いられている。そんな状況は筆者の周りを含め、小さな子を育てるママたちの間ではわだかまりや疑問となっていましたが、メディアで取り上げられることはほとんどありませんでした。
テレビをつければ、マスコミは悪者探しばかり。生活のために経営を続けるお店や、飲食店の閉店で集まる場所がなくなり公園で友人と会う学生を取材し、いかにも悪者のように見せる偏った報道がされていました。テレビで取材されたのが原因で、翌日から嫌がらせの電話が殺到して閉店せざるを得なかったお店もあったといいます。
その陰で、高齢者が「密」を作るようなサービスが止まらなかったことや、一般の高齢者が外で会合を楽しんでいるのを咎(とが)める報道は、少なくとも筆者は一度も見かけていません。
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