婚約破棄で弱っていたら友人から連絡。心配だからと連れて行かれた一軒家で待っていたのは
「開運」を謳った印鑑は2本セットで10万円。当時のロン毛ブームに乗ったようなギャル男だったが、見た目のチャラさに反して納品までていねいに対応してくれ、満足度は高かったという。
羽根布団も相応に高価ではあるが法外な値段ではなく、なんと30年近く経ったいまでも使っているそうだ。ただ、契約時に聞いていたアフタ―サービスは受けられなかった。
「布団の業者に問い合わせると、適当な特典をアフターサービスとして並べて強引な勧誘をしていた時代もあるけれど、いまはもうやっていないと言われてしまいました。お詫びにと、クリーニングだけしてくれましたけど(笑)」
その後、珠江さんは別の相手と結婚。ようやく幸せな暮らしがはじまる……と思いきや、がんを患った。
「すぐに標準治療を始めたんですが、いつも親身になってくれる知人が、それじゃあダメだ! と民間療法を勧めてくるんですよ。私は死にたくないから、自分の症状にいちばん適切だと考えられる標準治療を受けているわけで、体験談中心の民間療法は基本的に信じていません。
なので、結構です~と言っても、『とにかく1回だけでも!』と引かなくて。結局根負けして、温熱療法とやらに数回付き合いました」
その療法とは、アナウンサーの故・小林麻央さんが行っていたと報道されている「水素温熱免疫療法」である。
高濃度水素の風呂で体温を40℃まで上げ、体の免疫力を高めるそうだ(医学的にまったく根拠がないといわれている)。「その人の気がそれで休まるなら」とつき合ったらしいが、闘病している友人にお金と気を遣わせ、その知人は本望だったのだろうか。
闘病の記録をブログでも発信していたため(現在は削除)、いつもコメントをくれる読者からも、「冷えとり靴下」(天然素材の靴下を5~10枚重ね履きして足裏から毒素を出すと健康になれる、と謳う「冷えとり健康法」に使われるもの)が送られてきたという。
後日、読者からはこんなメッセージが届いた。
「冷えとりでがんが消えたという話はたくさんあるんですよ! 私も冷えとり靴下で、片頭痛が治ったんです。どうか珠江さんにも、効きますように。よかったら、このSNSに冷えとりコミュニティがあるんで、ぜひ参加してみてください。そこにいろいろな体験談がありますよ」
民間療法を「1回だけでも!」

靴下でがんが消えると力説

自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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