婚約破棄で弱っていたら友人から連絡。心配だからと連れて行かれた一軒家で待っていたのは
「そして補正下着セット購入のすすめからの、購入者を紹介するとマージンが入るという説明です。父がマルチ商法のアムウェイにハマっていたので、ピンときましたね。
そこでやんわりと、『私は締め付けが極端に苦手で、普通のブラすら苦しいからちょっとむずかしいかな!』と断りました。実はそのバイト仲間もマルチ商法だとは知らなかったようで、あとから『なんかごめんね』と謝られました」
よからぬもののシステムを知っているということは、やはり重要だと思わせるエピソードである。
10代でマルチ商法のしくみを知っているのは、なかなかにレアだと思うが……。そしてそれ以上に、未成年が勧誘されるというのもめずらしいことだと思えるので、珠江さんに沼を呼ぶ何かがあるのかもしれない。
さて、ここではサクッと逃げきれたが、お次は霊感商法の勧誘がやってきた。
「実家を完全に出て、別の土地でひとり暮らしをしていたときのことです。当時、婚約者がいたんですが、彼の浮気によって破局。心のダメージが大きく、ひきこもりになりました。すると、男友だちが心配だと連絡してきたんです。
『行きつけの飲み屋、めちゃくちゃ料理がおいしいから行こうよ!おごるから遊びに出かけよう!』って。親しくしていたので、じゃあ出かけるか……と、外に出たんです」
すると、「飲み屋に行く前に、ちょっと一カ所寄りたい場所がある」待ち合わせ場所で、男友だちが寄り道の予定をサラリと告げる。
詳しく聞かず「別にいいよ」とついていくと、そこはごく普通の民家だった。
何の特徴もない、庭付きの一軒家。引き戸の玄関内は広く、生活感が少なかったので、何かのお教室のようだとは思った。親戚の家? 友だちの家? それとも何か習っているのか?
「結局そこは、霊能者がお祓いをしてくれるという場所だったんです。部屋には、白っぽい装束をまとった中年女性が、ふたり。その男友だちも仕事で悩んでいて、お祓いをしてもらったらすごく調子がよくなったんだと、そこではじめて教えられました」
あっけにとられる珠江さんにおかまいなく、謎のセッションがはじまる。
婚約破棄、弱っているとこに現れたのは

黙って着いていった先には…

自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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