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田舎での半・自給自足生活ってどう?『モーニングショー』人気コメンテーター石山アンジュが実践

多拠点ライフはサスティナブル

人が住まなくなって荒れた空き家

写真はイメージ

昨今、取り沙汰されているのが空き家問題。古民家をリノベーションしてカフェを経営する人もいますが、多拠点ライフに一役買っているのが「全国版 空き家・空き地バンク」。これは、各自治体が把握・提供している空き家等の情報について、自治体を横断して簡単に検索できるようにするため、公募により構築・運営する事業者を募集し、選定された会社がやっているウェブサイトです。 登録されている物件のなかには100万円にも満たないものもあるなど、基本となる拠点がほしい方には調べる価値はありそうです。もちろんDIYは必須になりますが、「小さな経済圏に生きている感覚を持った暮らしがいかに豊かなものか」石山さんも気づいたそうです。 小さな経済圏、小さなコミュニティだからこそ、お互いが協力し合い、お裾分けをしながら共存していくのでしょう。都会では人付き合いが苦手だった人も、離れた場所で紡がれる心の交流にいとおしさを感じるかもしれません。 何よりも、物件や資源を無駄にしない、本物のサスティナビリティが田舎にはあります。便利で、最新の物質と情報が手に入る都会と、不便だからこそ自分の可能性が試せる田舎。絶妙なバランスも、多拠点ライフの利点ではないでしょうか。

共生意識でつながっていく

HSP(人一倍繊細な気質をもって生まれた人)や、人付き合いが苦手な人が増えているのも事実。だからこそ、共生意識が生まれるのだと私は思います。一定の距離を保ち、お互いに踏み込みすぎないからこそ、心地いい信頼関係が築けるのかもしれません。 人間関係石山さんも「本当のつながりとは何か?」を説いています。 個人主義の思想は「自分と他者は全く切り離された存在である」という価値観です。ここを認め合うのもいいのですが、そもそも人であるというだけで、根底ではすでにつながっているというのが、石山さんの考え方。 「自分は全体の中の一部であり、一部である自分が全体を構成する」。いささか哲学的ですが、人類みな兄弟という精神性で日々穏やかに暮らしていく。そうすれば、日本や世界の各拠点で、寝食を共にした仲間と「ただいま」や「おかえり」でつながる絆ができるのです。   本書には、「今すぐ」多拠点ライフが始められるサービスも掲載されています。「月額9800円~住まいのサブスクリプション」「行きつけの田舎を見つけ、拡張家族に出会う」「お手伝いをしながら知らない地域を旅する」等々。まさに多種多様。自分がどう生きたいのか、どういうライフスタイルを望むのか、吟味したうえでチャレンジするのもいいでしょう。 私達はいつだって自由。社会に、自分に、縛られるのはもうやめにしませんか。スマホひとつ、パソコンひとつで仕事ができる時代。家、家族、会社、会社員、これらに属するという概念をなくしてみたら、驚くほど豊かで自由な世界が広がるのです。 誰もが一度は「ここではないどこかにいる自分」を想像したはず。今、それは想像上の自分ではなく、リアルな自分として、思いきり羽ばたいていけるのです。 <文/森美樹>
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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