ドラマでは効果音やカメラワークなど、演出によって笑いどころを作るケースが一般的。
本作では、そういった演出を活用するわけでもなく、ボケとツッコミがあるわけでもなく、ただの会話だけで笑顔にさせるシーンが多い。脚本のセンスはもちろん、役者陣の演技力がいかに優れているのかに気づかされてばかりだ。

木曜劇場『いちばんすきな花』第2話より ©フジテレビ
辛いシーンや楽しいシーンだけでもない。4人が席に座った時に発した椿の「
同じもの見たからって、みんな同じ気持ちになってたら気持ち悪い」「
言っちゃダメなことはたくさんあるけど、思っちゃダメなことはない」というセリフはパンチラインすぎた。登場人物だけではなく、他人と違うことを警戒して、そして他人から排除されることに恐怖を感じている人は少なくない。そうした人達の心に寄り添い、肯定してくれる優しいセリフだった。
面白さだけでなく、心が救われる言葉が目立つ本作。今後の展開だけではなく、言葉ひとつひとつにも注目したくなる。
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木曜劇場『いちばんすきな花』©フジテレビ(以下同じ)
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【前回記事】⇒
旧友から「サシで飲まない?」と電話。嬉しかったのに…その“用件”が心臓に悪すぎた|ドラマ『いちばんすきな花』
<文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):
@mochizukiyuuki