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「緊張することあるんですか?」キャリア30周年目前の津田健次郎、緊張しいな後輩声優・川井田夏海への一言が心に刺さる

10月20日より公開されている映画『北極百貨店のコンシュルジュさん』。原作は西村ツチカさんによる同名漫画です。 新人コンシュルジュ・秋乃が働くのはお客様が全て動物という「北極百貨店」。一人前のコンシュルジュになるため、日々奮闘する秋乃ですが、彼女の前に現れるのは個性的なお客様たち。お客様が抱える悩みを解決するべく、時には一緒に悩みながらも秋乃はコンシュルジュの仕事にまい進していきます。 今回、秋乃役の川井田夏海さん、ガラス造形作家で「ケナガマンモス」のウーリー役の津田健次郎さんにお話を伺いました。 川井田夏海 津田健次郎【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

「秋乃」を任せていただいたことには意味がある

川井田夏海――川井田さんは今回が劇場アニメ作品初主演です。改めて振り返ってみていかがですか。 川井田夏海(以下、川井田):受かったと聞いたときは嬉しかったんですけど、不安と緊張、そして「私で良かったんだろうか」と、収録前日まで思っていました。本当にできるのか、とプレッシャーで家で泣いたこともあったんですけど、今の私に任せていただけたのは何か意味があるんだ、と。きっと秋乃もこんなふうに考えることがあったんだろうな、と思いながら役作りに生かしていこう、と現場に臨みました。 試写で観させていただいたときに、本当に私の声がしていたので、ちゃんと声が出てたんだな、とひと安心しました(笑)。 みなさんのもとに届いて初めて完成するものだと思うので、早く観ていただきたいですね。 ――原作や脚本など、作品をご覧になられて、おふたりが感じた魅力はどういったところでしょうか。 川井田:夢から始まって、また夢につながっていく描写がすごく魅力的だな、と思っているんですけど、これは映画の脚本になって初めて描かれる部分でもあるんです。最初に小さい秋乃が出てきて、最後は小さい子どもを秋乃が受け止めるのは映画ならではの展開ですね。 津田健次郎津田健次郎(以下、津田):原作、映画含めて、とにかくいろんな要素が詰まっていて、見落としがちな大切なものを、秋乃を通してさまざまキャラクターが見せてくれます。年齢、国籍問わず伝わっていく良い作品ではないかと。 また、原作の静止画の良さ、アニメーションとして動いていく良さ、どちらも別の世界観があって素敵だな、と思っております。

想いがにじむ、あふれ出すような表現ができたら

川井田夏海 津田健次郎――今回、おふたりが演じられた秋乃とウーリーはどういったところが魅力となっているでしょうか。 川井田:秋乃はお客様のために何かをしたい、という心持ちが素晴らしいですね。人間ってやっぱり見返りを求めてしまいがちなところがあると思うんですけど、秋乃はとにかくお客様に「北極百貨店に来てよかった」と思ってもらえるような仕事をコンシュルジュとしてしたい、という気持ちが真っすぐ行動に現れています。うまくいかなくても「私には向いていなかったんだ」とくじけずに、解決策を見出して進んでいくところが彼女の魅力かな、と思います。 津田:ウーリーさんはさまざまなことがあった人物で、絶望を抱えながらも自分の表現作品に向き合っています。心を閉じているんですけど、それでも丁寧に、丁寧に人と対峙していく。そういう弱さと強さ、どちらも抱えたとても奥深い優しさに溢れたキャラクターですね。 ――演じられる上で気をつけられた点はどういったところになるでしょうか。 津田:まず、ウーリーさんというキャラクターにおいて、呼吸はとても大事なので、気にしていました。この作品全体の話にも繋がるかもしれないんですが、直接的な感動というよりも、はっきり言葉に出さない、思いみたいなものがにじんでいくといいな、と。あふれ出す表現のようなものができたらなと思っていました。 ――終盤の秋乃さんとのシーンも印象的でした。 津田:自分のシーンに関しては、凍っていたものが溶け出すと言いますかね。感情が瞬間的にあふれ出してくるシーンかな、と考えていました。ウーリーさんは優しくて温かい人ではあるんですけど、どうしても孤独で周りと距離を置いていた心の部分がリンクして、それまで出せなかった気持ちが出せた瞬間ですね。 ――川井田さんはいかがですか? 川井田:家で練習していたときは、本当にできるんだろうか、という不安がずっとありました。でも、現場に行ってエルルさん(大塚剛央さん)、東堂さん(飛田展男さん)と3人で録らせていただいて、そのときに自分の中でもはっきりとコンシュルジュとしての秋乃が出来上がったかなと思えて、やっぱりチームワークだなと気付かせていただきました。コンシェルジュの仕事もそうだと思うので、秋乃という役を通してチームワークはもちろん、現場でいただいた温度感も表現できたらと思いながら演じていました。
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緊張したときの津田
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