
内閣府 男女共同参画局の「令和4年版 男女共同参画白書」(2022年6月)によれば、「妻が64歳以下」の世帯のうち「共働き世帯」は1177万世帯。いわゆる“専業主婦”の世帯は458万世帯で、前者は約“7割強”となります。
現状を鑑みると、「埼玉県虐待禁止条例」の改正案の内容に対する批判が上がったのも、うなずけます。
では実際、埼玉県の保護者たちは何を思ったのか。
小学4年生の息子を育てる、会社勤務でシングルマザーのAさんは“幻”となった改正案への率直な感想をつぶやきます。
「うちは、かろうじて実家が近いので助かっていますが、預けられないとなると、一人で留守番させるときもあるんです。息子には申し訳ないですが、自分がシングルなので仕方ないし、それすらも『虐待』とされることには違和感をおぼえました」(Aさん)
シフト制でスケジュールも流動的なため、ときには「近所の“ママ友”同士で子どもを預け合う」とも話すAさん。
しかし、「たがいに頼む頻度を考えなければいけないし、次は相手の子供を預からなければいけない。お礼にケーキなど、お土産を買わなければいけないといった、“ママ友”付き合いもも大変」と、悩みを吐露します。
一方、小学1年生、5歳、3歳の息子3人を育てる、会社勤務でシングルファザーのBさん。
現在、仕事中はそれぞれ学童、幼稚園、保育園に預けているといいますが、周囲には「子どもを預けられない友人」もいて、「余計なお世話だと口にしていました」と話します。
さらに、埼玉県で暮らす上で「おせっかいな条例を考える前に、もっとやってほしいことがある」と主張も。
「埼玉の一部ですが、今住んでいる自治体では給食でのアレルギー対応に不満があり、実際、息子が小麦アレルギー持ちなので学校との交渉には苦労もありました。
病院では、子どもの急な発熱に対応してくれず、近隣の市町村まで夜遅くに車を飛ばしたこともあります」
“子育て”に限らず、各地の条例には暮らしやすい環境を作る目的もあるはず。「埼玉県虐待禁止条例」の改正案に端を発した今回の騒動は、行政の姿勢を今一度問うきっかけになったといえそうです。
<取材・文/カネコシュウヘイ>