――最終章で、雪の話に戻るというのは決めていたのでしょうか?
をの:ホスト編のときにはもう最終章までのだいたいの流れを決めていました。縁って良くも悪くも切れないみたいな話を、リナと雪が電話で話すシーンがあるんですけど、それは最終章にも続いているので。
――そんな最終章の後、エピローグも前編後編であるんですよね?
をの:はい。最終回はあくまでも7章の完結っていうイメージなんです。だから、私のなかでは、『明日、私は誰かのカノジョ』という物語の“総”締めくくりはできていなくて、エピローグで描くことにしました。各キャラの2024年の話として、未来の話を描くイメージです。

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――この作品を通して、先生が伝えたかったことはなんでしょう?
をの:全編通して誰かしらに共感した方、あるいは「こうはなりたくないな」という見方をしている方もいると思います。実際に「このキャラもがんばってるから自分もがんばろうと思いました」って言われたりするとすごい嬉しいですしね。でも、その一方でお説教くさいことを言いたいわけではないんです。「みんなもがんばれよ」と言いたいわけじゃなくて「生きていかなきゃいけないよね」みたいなニュアンスのことを伝えたいなって。「大丈夫、きっとなんとかなるよ」って言いたいです。
――たしかに全編を通してショッキングな終わり方をした回はないですよね。良い意味で、生活は続いている。
をの:そう言っていただけて嬉しいです。私自身、バッドエンドのつもりで描いたエンディングは1つもないので。意外とみんな人生が続いていくし、うまいことやっていくということを伝えたいんだと思います。
(c)をのひなお/Cygames,Inc.
<取材・文/於ありさ>
於ありさ
テレビ・ラジオ・映画・アイドル・お笑い・恋愛番組・ガールズムービー…とにかくエンタメ好き!サウナと旅で体を癒しながら、マイメロディに囲まれた自宅でエンタメ漬けの毎日を送っている。