
とはいえ、ホラーキャラにも一応、人間性はある。ちふゆの父親は、代々の土地持ちであり、何不自由なく暮らしてきた。お金を稼ぐ必要がない。特に働く必要もない。
事実上無職の父親を見て育ったちふゆもこれといって将来つきたい職業があるわけではない。勉強はそこそこに、何か興味がわく趣味があるわけでもない。では、彼女の関心はどこに?
ハルキである。時間をもてあますちふゆの関心は、ハルキただひとりにそそがれる。なのに振り向かれない。
しかもハルキには好きな相手がいる。彼のことしか考えられないちふゆは、恐ろしいほど強烈な嫉妬心にかられるのだ。

ハルキと自分の間を邪魔する存在として、ちふゆは、深愛をターゲットに定める。直接行動に出て、深愛に接近するが、相手は一応大人の女性。うまくかわされてしまうのだ。
だが、彼女のカンは鋭く、深愛と夏生が不倫関係にあることをひと目で見抜く。きっとハルキが騙されているんだ。助けなければという心理になるのだが、深愛が夏生に抱く執着の理由付けと似ている。
第5話では、ちふゆのヤバさが突出していて、深愛の異常な行動がやや薄れている。が、根底では深愛もちふゆも同じなのだと思う。
恐怖の連鎖が作り出す、この執着の化け物たちを早くどうにかしてくれ!