
『ヘルタースケルター』Blu-ray(Happinet)
ギャルっぽいというのか、ヤンキー的というのか。いずれにしろ純真無垢な商品価値を引き剥がすことで、俳優としての本領を発揮した。それが、沢尻エリカの真骨頂だったことは間違いない。
が、ダーティーな雰囲気が自然になればなるほど、表舞台でも露出するようになった。それはさすがにマズかった。出演作の舞台挨拶で恐ろしい塩対応で不機嫌を貫き、彼女の不良性を世間が認知するちょっとした失態を起こすのだ。
ちょっとした不祥事ならまだしも、それが取り返しがつかない事態になったのが、2019年。イメージ転換でかなりの精神的負担があったのか、どうか。彼女は薬物に手を出す。
2019年11月、沢尻は麻薬取締法違反で逮捕される。大麻パーティ写真が週刊誌に撮られるなど、沢尻と薬物のイメージは決定的になる。公判では、俳優引退をほのめかした。
行き着くところまできてしまったか。ここまでくると救いようがない。素晴らしい才能を持つ人物だけに残念でならなかった。俳優たる者、破天荒であることは結構だが、度が過ぎてはいけない。
2度目の活動休止に呆れる声がある一方で、どうにか復帰をしてくれないかと願う声も多かったはず。間違いを犯したらそこで終了ではなく、再びチャンスを与える社会でありたいもの。沢尻も例外ではない。