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片目が開かない野良猫を保護。わずか13ヶ月で旅立ったにゃんたろー君が教えてくれたもの

腎臓病が悪化して入院治療に

 ところが、穏やかな日々は一変します。  保護時、すでに腎臓の状態が悪かったにゃんたろーくんは通院治療をしていましたが、一度、体調を崩してから状態が悪化。飼い主さんは輸液の点滴方法を動物病院で教わり、自宅でも点滴をし始めました。 にゃんタロー 食べる量も急激に減ってしまった、にゃんたろーくん。しかし、飼い主さんの温もりは闘病中のにゃんたろーくんにとって心の拠り所になっていたよう。体調が悪化してからは、飼い主さんに甘えることがより一層増えました。 「膝の上で眠ってくれたり、トイレの前で出待ちをしてくれたりし、愛おしかった。嬉しい気持ちと切ない気持ちが入り混じりました」  やがて、にゃんたろーくんはおしっこが出なくなり、入院。残念ながら、回復は難しいと判断されたため、最期は家で過ごすことになりました。 「家に戻って来た時には意識がもうろうとしてフラフラの状態でしたが、最期の力を振り絞るように、ルーティーンである家の中のパトロールをしていました」  自分の匂いも大好きな飼い主さんの香りもする家は、にゃんたろーくんにとって安心できる居場所。慣れ親しんだ場所で安心感に包まれたのか、にゃんたろーくんには数時間後、クローゼットの中で静かに息を引き取りました。

一緒にいれた期間はわずか13ヶ月

にゃんタロー 飼い主さんとにゃんたろーくんが一緒に過ごせた期間は、わずか13ヶ月。思っていたよりも長くなく、つらい経験もたくさんしましたが、この短くも尊い期間の中で飼い主さんは命を迎えることの重みを知りました。 「猫を飼うことに憧れを抱いていましたが、実際は楽しいことばかりではなく、つらいことや悲しいこともたくさんあるのだということを実感しました」 「“猫を飼う”というより、“猫と共に暮らす”という感覚でした。猫と共に暮らすことは、かけがえのない大切な命を預かるという大きな責任を伴うものなのだと痛感しました」  にゃんたろーは、家族の一員。飼い猫ではなく、まさに家族ーー。そう語る飼い主さんは、共に暮らす中でいろいろなことを教えてくれたにゃんたろーくんに、今でも感謝をし続けています。 「今ごろは虹の橋で元気に走り回っていると思いますが、これからもずっと心の中に住み続けてくれる大切な存在です」  共に過ごした13ヶ月の思い出。きっと、にゃんたろーくんも天国で大切な宝物として抱え続けていることでしょう。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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