第2話では、吾良の“愛人”みちるの元旦那(籍は入ったまま)が登場する。愛情をこじらせた典型的なストーカーと化した小山田源(前原滉)は、みちるの子どもたちがいるゆりあの自宅に押しかけ、暴走。そこに颯爽とあらわれ、ゆりあたちを救ってくれたのが伴ちゃんだ。
ヒーローさながら、良いタイミングで駆けつけた彼に全人類がときめいてしまう勢いだが、伴ちゃん自身はそのことを一切鼻にかけない。それどころか、吾良の介護で毎日大変であろうゆりあを気遣い「ゆっくりできる日があったらいいですね」と距離感バツグンの優しい言葉を投げかけてくれる。
ゆりあと伴ちゃんが、不倫の入口に立ってしまったのは、第3話だ。そして、伴ちゃんを演じる木戸大聖がリア恋俳優としての片鱗を見せ始めたのも、この3話である。
ゆりあが刺繍の先生であることを知った伴ちゃんは、ゆりあに「刺繍を教えて」と頼む。業者と顧客の枠を少しだけ越え、個人的にやりとりを始めるが、非常識なスピードで距離を詰めることはない。初めて二人が会ったのも、伴ちゃんの息子を交えてのことだった。
息子と一緒だと、結局、刺繍に集中できない。ゆりあと伴ちゃんは日と場所を改めることに。二人はファミレスで隣り合いながら、刺繍の「先生」と「生徒」になる。お疲れ様会と称した居酒屋でも、二人は引き返せる位置を保ちながら会話をしていた。
全視聴者に衝撃が走るのは、この直後。記念の自撮りをした矢先、伴ちゃんが突如、保っていた距離をゼロにする。なかには、ゆりあと伴ちゃんが不倫関係になることを予測していた視聴者もいるかもしれないが、まさか、このタイミングで思い切った行動に出るとは。しかも「俺、今日、先生に会いたいから来たんだけど」と思わせぶり満点なセリフ付きで。