
年月は流れ、ひょんなことから再会したふたりはどうだろうか? ゆくえと美鳥が、本屋の児童書コーナーで絵本を読んでいる。間違い探しが描かれている内容にゆくえが疑問を投げかける。
美鳥はふふっと笑って、昔と変わらないゆくえのことを慈しむ。そして聞く。「お腹減ってる?」。絶妙に視線を滑らせながら「減ってきた」とゆくえが短く答える。本をパタンと閉じて、歩き始めると、再度美鳥が聞く。
「何食べたい?」。するとゆくえは「美鳥ちゃんとだからなぁ…」とすこしほっぺたを膨らませて考える。なんだかこのやり取り、まるで親子の会話ではないか。夜々や紅葉には守護者のようでありながら、美鳥の前では童心に帰るようだ。

久しぶりの外食を楽しみに、ああでもないこうでもないと悩む。こういう幼な子みたいなゆくえもいいもんだ。凛とした多部の演技に対して、童心をぽこっと浮き上がらせてもみせる。
なんと、芸達者なことだろうか。いや確かにあの4人は全員が社会人である以上は当然大人なわけだけれど、子どものような大人と言うか、大人のような子どもと言うか。
そのあたりの微妙な感情をキャラクターから掴み、視聴者に絶妙なタッチで伝えなければならない。単に子どもっぽく見えてしまわないよう、注意を常に払いながら、大人のような子ども感を演じている。