ハルキを学校で孤立させ、迷惑行為を繰り返すちふゆ。ハルキはついに爆発した怒りをぶつけますが、それに対してちふゆは「こうして見るとやっぱり背高いなぁ」「久しぶりにハルキと喧嘩した」とうっとり。可愛い顔して怖すぎる……狂気そのものを表現しています。5話では、ハルキが想いを寄せる深愛と対決。嫉妬に狂ってカッターを振り回す演技は圧巻でした。

土曜ナイトドラマ『泥濘の食卓』5話より ©テレビ朝日
痛々しすぎる恋愛モンスターであるちふゆですが、どこか憎めない部分があるのも、原の演技力の高さを物語っています。同級生たちと自分を比較し、孤独や焦りを深めた役柄の背景をも原が繊細に表現しているからこそではないでしょうか。
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『どうする家康』実家と婚家の板挟み、まさにか弱き姫!
ヒロイン全開、狂気全開と、原の振り幅に震えたところで最後に振り返りたいのが、12月17日に最終回を迎える大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合、日曜よる8時~ほか)。本作で演じている千姫(せんひめ)では、原のヒロインぶりが発揮されています。
千姫は徳川家康(松本潤)にとって最愛の孫娘。7歳で太閤秀吉(ムロツヨシ)の嫡男・秀頼(作間龍斗)に嫁ぎ、徳川と豊臣の懸け橋としての重責を担う、という役どころです。物語の終盤、第44話から登場した原ですが、
初の時代劇とは思えない美しい所作で、愛らしい姫を演じています。
実家・徳川と、婚家・豊臣の板挟みになっている千姫。叔父の暗殺を徳川側に密告したり、戦いに挑む豊臣の兵を鼓舞したり……その度、常に戸惑いの表情を見せており、難しい立場に立たされている姫としての葛藤を表現しています。そのいじらしい姿は可愛らしく、まさにか弱き姫。