ここ最近新型コロナウイルスに対する警戒心が収まりを見せている。妊娠を経験して、現在子育てに取り組んでいる立場から、昨今の状況はどのように見えているのか。
「院内感染した身としては、依然としてその脅威は変わっていないと考えています。実際、私自身は産後に体重を測った時、赤ちゃんと胎盤分しか体重が減らなかったのですが、コロナに感染した3日間の高熱により体重が7キロも落ちました。そのくらい、産後に弱った体にはこたえるものでした……」(※編集部注:体重減少の理由にはコロナの他に、産後に水分が体から抜ける通常の経過も含まれているものと考えられます)
そして、「だからこそ、
基礎疾患がある人の前などでは必ずマスクをしています。マスクを外すこともそうですが、そういった思いやりの心が今必要なのではないのでしょうか」と締めた。
人間の価値観や考えは十人十色であり、無理矢理自分の意見を押し付けることはストレスにしかならない。仮にコロナ禍が完全に収束しても、そのことは忘れずにいたい。
最後に、わかばファミリークリニックの院長で家庭医・産婦人科専門医の水谷佳敬先生にもこの漫画を読んでもらい、妊婦のマスク着用についてコメントをもらった。
「2023年度の冬はインフルエンザが猛威をふるい、感染症対策の必要性が改めて高まってきています。
インフルエンザも新型コロナウイルス同様、妊婦と胎児を脅かす感染症です。マスクによる感染症予防はある程度有効ではないかと考えられています。
この数年間、マスクをつけての生活が当たり前でしたから、外すことになんとなく不安や違和感を覚えるのも仕方のないことですし、もしかしたら本人やご家族が感染症にかかってつらい思いをした経験からの行動かもしれません。
妊婦さんが快適に過ごせる環境は、妊娠していない人々にとっても過ごしやすい環境のはずです。お互いに思いやりや配慮の気持ちをもって寒い冬を乗り切っていきませんか」
<取材・文/望月悠木 漫画/楠あやと>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):
@mochizukiyuuki