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50万円超かかり、自分で注射を打つのは「怖かった」けど…卵子凍結を「やって良かった」と思える理由

安くない金額、それでも踏み切れた理由

通院、自身での排卵誘発剤の注射、総合的な費用が30万~50万円ほどと、決してハードルが低いわけではない卵子凍結。さらに、卵子凍結した人の凍結卵子使用率は約10%、使用した卵子の着床確率も30%とそこまで高くはありません。 2023年9月には東京都が都内在住の18歳から39歳の健康的な女性に「当年20万円+2万円×5年で最大30万円」を支給すると発表。自己負担額が0になるわけではありません。 それでも、助成金の条件となる説明会には7000人超からの応募が集まり、卵子凍結が注目されているのは、“未来を生きる自分の選択肢を増やす”ことができるから。 卵子凍結「金額も決して安くはないので、ためらわなかったということはないです。ただ、50万円使ってヨーロッパへ旅行に行ったり、ハイブランドのバッグを買ったりすることって今じゃなくて、50歳、60歳になってもできるじゃないですか。でも、50歳になってから“やっぱり子供が欲しい”と思っても難しい。それを考えると、もちろん妊娠年齢は早いほうが安全ではありますが、今後、子供が欲しいとなった時のために、卵子を残しておくって選択は自分にとってすごく良いお金の使い方なのかなと思ったんです」

未来を生きる自分の選択肢を増やす

そう答えるAさんに、改めて「卵子凍結をして良かったですか?」と尋ねると、「良かったとはすごく思います。私はすごく気持ちが楽になりました」と返してくれた。 「身体への負担やリスクはもちろんあるので、それを調べた上で判断されるなら、人にすすめられない理由はないと思います。将来子どもが欲しいと思ってるけど今は未婚の人も、卵子凍結をしておくだけで“焦らなくていい”要素のひとつになるし、何より自分のためにもなる。気になる人は、まずはAMHの検査に行くのもいいと思います。自分が妊娠できる身体なのか、婦人科系の病気を患っていないかを、きちんと知ることってこれからの人生を考えるのにすごく大切なことなので」 女性の人生を考えた時、キャリアと結婚・出産は天秤に掛けられがちです。でも、どちらか1つを選ばなければいけないなんてことはありません。 今回、記事の監修をしてくれたにせきレディースクリニックの友影九樹先生よると「母体年齢の適齢期も考慮する必要があるのは事実で、合併症妊娠率もあがるので、35歳までに初出産を終えるのがベター」とのこと。卵子の減少だけでなく、母体のことも考慮する必要はありそうです。 しかし、パートナーがいてもいなくても、今はまだ子どもを考えられなくても、卵子凍結をきっかけに自分の体について知ることは、Aさんが話してくれたように、人生を考えるのにすごく大切なきっかけになることには間違いなさそうです。 <取材・文/瑞姫 監修/友影九樹(せきレディースクリニック)> 【友影九樹先生】 岐阜県関市にある、せきレディースクリニックの院長。著書『マタニティハッピーブック』(幻冬社)は、産婦人科専門医の目線で妊娠、出産に関する疑問や不安を優しく解消していく内容で、妊娠したらカバンにいつも入れておきたいお守りブック。
瑞姫
1994年生まれ。奈良県出身。エンタメメディアでの芸能ライターとしての経験を経て、フリーランスのライターに。主にエンタメ・トレンド系の取材・インタビューを中心に、恋愛コラムの執筆を行っている。フォロワー数4.5万人のTwitterでは恋愛・美容系について発信する、インフルエンサーとしても活動中。漫画と散歩と猫が好き。 Twitter:@mizuki32k
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