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50万円超かかり、自分で注射を打つのは「怖かった」けど…卵子凍結を「やって良かった」と思える理由

近年、耳にすることも多くなった「卵子凍結」という言葉。その名の通り、卵巣から採取した卵子を将来の妊娠に備えて凍結保存することです。 子供を望んでいるものの、様々な事情によりすぐには妊娠が難しい人にとって、卵子凍結は将来の妊娠に備えることができる選択肢の一つ。今回は実際に卵子凍結を受けた都内在住のOL・Aさんに話を聞きました。
卵子凍結

実際に卵子凍結を受けた都内在住のOL・Aさん

離婚をきっかけに卵子凍結を決意

都内でOLとして働く30代前半のAさんは、一度は結婚を経験したものの、価値観の違いで離婚。恋愛活動を新たに開始した際に、卵子凍結への思いが強まったと言います。 「すぐに理想的な相手が見つかるとは思っていなかったので、離婚後から卵子凍結については視野に入れていました。けれど、金銭的な問題もあるので、一旦保留にしていたんです。ただ、実際に恋愛活動を開始すると、世間的な“女は30歳を過ぎたら婚活市場で価値がなくなる”なんていう煽り言葉にもすごく影響を受けてどんどん気持ちも追い詰められてしまって…。そんな時に『気持ちに余裕を持とう』と思って卵子凍結を決意しました」 女性が一生で排卵する卵子の数は生まれた時から決まっており、年齢とともに減少する一方で、増加することはありません。 結婚にタイムリミットはありませんが、出産にはタイムリミットがある…というのは、出産のリスクの話だけではなく、妊娠の可能性の高さからも言えるのです。

自分で注射するのは「めちゃくちゃ怖かった」

卵子凍結の流れは大きく分けて3つ。まず最初に診察と検査で、血液検査、超音波検査、AMH検査(卵巣予備能検査)などを行い、妊娠・卵子凍結が可能な体かどうかを調べます。 次に質のいい卵子を複数採取するために排卵誘発剤を使用し、多くの卵子を成熟させます。そのために、月経開始から3日以内に病院へ来院し、そこから毎日排卵誘発剤を決まった時間に自分で注射します。
卵子凍結

排卵誘発剤の注射

最後に、排卵誘発剤を打ったあとの卵胞の育ち方を見て、採取の日時を決定。(もう少し成熟させた方がいい場合は、排卵誘発剤を打つ期間も長くなります)当日は卵巣の中の卵胞に針を刺し、卵胞液とともに卵子を吸引・採取するという流れです。 Aさんは「月経開始から3日以内に病院へ来院しなければならないのですが、予約が取れなかったり、自分の予定と合わなかったりで難しかったりする人もいるそうです。生理不順だとタイミングが難しいのでそこも要相談。予約が取りやすいか、スケジュールの融通がきくかも確認したほうがいいです」と自身の経験からアドバイス。
卵子凍結

排卵誘発剤の注射

自分で注射を打つことに怖さはなかったのかと尋ねると「最初は髪の毛くらいの細さの針なので、多少は怖いけど、別に痛くも痒くもなかったです。ただ、“採取の16時間前”など、決まった時間ぴったりに打たなければいけない最後の注射は、今までとは全く違う太さと長さの針だったので、さすがにすごく怖かったです。 『こんな太くて長い針の注射を自分で打つの?』『失敗したらどうしよう』って不安で…。でも覚悟を決めて、針を打つ部分をキンキンに冷やして頑張って打ちました。打ったら別に痛くもなんともなかったんですけどね」と明かしてくれました。
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