松本人志が「裸の王様」になった理由…“お笑い以外何も勉強しなかった男”の悲劇
昨年末の『週刊文春』(2023年12月27日発売号)による松本人志の性加害疑惑報道。所属事務所は報道を事実無根だとし、松本はさまざまな記事と対峙、裁判に注力するため活動休止すると発表しています。
どんどん巨大化していった島田紳助の退場とともに、『大日本人』松本人志が巨大化していった。しかし、その巨大化に本人は無自覚で、ここはもう僕の中の妄想文学ですけど、本人は自分のパワーの強大化・権力化に関しては無自覚でおびえている中で、肉体はデカくしないと不安だっていうことを考えると、非常に悲劇的だなとも思うわけです。
これだけなら良かったんですが、別のファクターがあります。2009年にラジオ番組『放送室』(TOKYO FM)が終了したこと、そして2013年に『ワイドナショー』(フジテレビ)が始まったことですね。
ダウンタウンの幼馴染で放送作家の高須光聖さんと松本さんが2人で喋っているラジオ『放送室』が非常に人気で、僕も中学生ぐらいの時からずっと聞いてましたけれども、なんと 2009年に終わってしまうんですよね。これは結構ショックだったんですけど、リスナーとしてショックだったという以上に、松本さんの素(す)がかいま見える場所がこれで完全になくなったということがあります。
それで結果的に『放送室』と入れ替わるようにして彼が手に入れたものは何かというと、『リンカーン』(TBS)をきっかけに始めたTwitter(現X)と、『ワイドナショー』なんですよね。
『ワイドナショー』ではいろんなニュースが飛び込んできて、それに対して『ダウンタウンDX』などのトークバラエティのように返さなきゃいけないと周りも圧をかけているでしょうし、本人も思い込んでいるというところで、バラエティ的な雑談の中で私生活の話をするのと同じやり口で、世の中に実際に存在する被害者や亡くなった人、事故、事件、権力などをいじらなければいけないと。
その勉強の準備っていうのはまったく間に合っていない状態のままバラエティと同じやり方でやってしまった。
Twitterを手に入れたっていうこともそうですけど、あまり向いてないこともどんどんやらされるようになった、というのが権力化、権威化の辛い部分でもありまして。
この件を皮切りに溢れ出した松本人志についての数多くの言説。そのなかで、映画やドラマなどのエンタメ解説で人気の東京大学法学部卒業の芸人・大島育宙さん(XXCLUB)が自身のYouTubeチャンネルで持論を展開し注目が集まっています。 前回記事『松本人志が“異常な権力”を築くに至った背景。島田紳助引退と「巨大化願望」』では、松本人志がプレイヤーとしても、賞レース審査員や『ドキュメンタル』などのゲームメーカーとしても権力・権威の強大化してきた歴史を踏まえるべき必要について語ってもらいました。 【前編記事】⇒松本人志はいかにして今の権力を築くに至ったのか?島田紳助引退と「巨大化願望」 (以下、大島さんの許可を得て大島育宙【エンタメ解説・映画ドラマ考察】で公開の動画『松本人志さんは〇〇の被害者です【切り抜き禁止】』から構成して前後編で構成した後編になります)おめでとうー
— 松本人志 (@matsu_bouzu) January 1, 2020
と鳴いております。 pic.twitter.com/tmyeAlQdzn