年端(としは)もいかない子供は、「もし私が捨て子だったら」とか「もし私がいなくなったら」といった、マイナスの空想で自分を守ると聞いたことがあります。
空想はあくまで空想のままだと、どこかで安心しているからにほかなりません。悲劇のヒロインである空想が、プリ美には事実になってしまいました。救いをもとめるのは、記憶にない本当のパパ。記憶にないからこそ、未知の希望にすがってしまうのでしょう。
やがて「本当のパパに会いたい」とプリンさんにお願いするプリ美と、「会わせてあげよう」と賛同するケイキ君。つい、プリンさんはブチ切れてしまうのです。
なぜなら、プリ美のパパでありプリンさんの前夫のプリ彦は、モラハラDV不倫ヤローだから。プリンさんだけではなく、娘のプリ美にもひどい仕打ちをしたプリ彦には、絶対に会わせたくなかったのです。