永山瑛太、20年ぶりに共演した48歳俳優を絶賛「お互いあっという間にこんなとこまで来てたんだな…」
俳優の永山瑛太さん(41歳)が、全国公開中の映画『身代わり忠臣蔵』に出演しています。
本作は、時代劇ヒットメーカー・土橋章宏著の同名小説の実写化で、日本中で愛される時代劇「忠臣蔵」をベースに“身代わり”という斬新なアイデアが加わった、痛快時代劇エンターテイメントです。
永山さんが演じる大石内蔵助は赤穂藩筆頭家老ですが、史実とは異なり、吉良家に討ち入りに入りたい家臣たちの声に日々頭を悩ませている“腰抜け”という設定。永山さん自身、演じるキャラクターのバランス感覚について、試行錯誤をしたと言います。
主演のムロツヨシさんとの20年ぶりの共演、事務所独立3年を経た“リーダー”としての想い、そして人気俳優として日々大切にしていることなど、ご本人に聞きました。
――永山瑛太(以下、永山):今回の『身代わり忠臣蔵』は、これまで日本中で愛された時代劇「忠臣蔵」をベースに“身代わり”という斬新なアイデアが加わった、土橋章宏さんの小説の映画化でした。
永山:これまで大先輩方が演じられてきた忠臣蔵ではありますが、今回に関しては史実はあまり意識せずに演じました。土橋さんが作り上げた大石内蔵助は、情けなさなどが相まって、これまでの作品の大石内蔵助と比べて、描かれ方がまったく違うんです。
その上で大石内蔵助は、(主人公・吉良孝証とその兄・吉良上野介を演じる)ムロツヨシ君が、どういう表現をしてくるかに全部ゆだねられている感じなんですよね(笑)。そこが今作の面白さでもあります。
――大石内蔵助は赤穂藩の腰抜け筆頭家老という設定で、幕府からの圧力と吉良家への討ち入りを求める家臣の声に日々頭を悩ませている状態ですよね。
永山:赤穂藩の筆頭家老なので本来、身分としては偉い人ですよね。武士として、時代背景もいろいろとあるとは思うのですが、今回そこをどういったバランスで崩していこうかという部分が、少し難しかったです。時代劇のお芝居の形式みたいなものを、どれくらい砕いていいのかなというのは試行錯誤しました。
――その指針として、ムロさんの自由自在な演技に依るところも大きかったのでしょうか。
永山:そうですね。それぞれのシーンにおいてシリアスなのか、コメディ要素が入っているのか、なんとなく台本の時点でのイメージはありましたが、現場でムロ君が何をしてくるか分からなかったので(笑)。準備して行っても壊されるだろうなっていう気持ちもありましたが、どこかで揺るがない大石内蔵助としてもいなきゃいけないわけですよね。
一般に主役は基本的に受けで、周りの人が仕掛けるところがあるものですが、今回はその形式が全部取り払われて、かなり自由度の高い台本だったいます。そこがとても難しかったです。
――そのムロさんとは久しぶりの共演でした。思うところもありそうですね。
永山:ムロ君と『サマータイムマシン・ブルース』という映画で出会ってから、20年近く経っているんです。ムロ君とはこれまで違った道を歩いて来たのかもしれないけれど、久しぶりに共演して、その年月の短さと言いますか、刹那的なものを感じましたし、お互いにあっという間にこんなとこまで来てたんだなと。一瞬で駆け抜けてきたのかなと感じました。
あとは、ムロ君のコミカルさが、どこかはかない感じに映っているように感じて、とても素晴らしいなと思いました。役を演じて、感性に触れることを職業にしながら、ここまでやって来たんだなと。