Entertainment

「ざまあみろ!」宇垣美里が“わきまえない”新プリンセスを生んだアカデミー賞受賞作に大拍手する理由

不条理、不平等、でも諦めたくなんかない

映画『哀れなるものたち』

©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

ベラの生きる世界と同じく私たちの生きる世界も不条理で不平等だ。依然として続く戦争、哲学や宗教の意義を見失ってしまうような虐殺、搾取や差別を前に世界に絶望し、何もできない己の無力さに打ちひしがれてしまう日もある。 それでも、私だって本を奪われ捨てられた同志には何度だって別の本を手渡し続けたいし、学ぶことを、知ることを、世界をより良い場所にすることを諦めたくなんかない。

さあ、新たなプリンセスの登場に大きな拍手を

映画『哀れなるものたち』

©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「世界を知り、改善する。」ベラが宣言したように、哀れで愚かで間違いだらけの私たちにだってきっと、それができるはずなのだ。 さあ、新たなプリンセスの登場に大きな拍手を。神なる父が、魅力的な王子様が止めたとしても、彼女は己の信じるままに狭い箱庭を飛び出し、アイデンティティと本を携え革命の道を突き進む。弁(わきま)えてなんかやらない。ざまあみろ! 哀れなるものたち』上映中 監督:ヨルゴス・ランティモス 原作:アラスター・グレイ 脚本:トニー・マクナマラ 出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー 製作:2023年/イギリス/142分/R18+ 字幕翻訳:松浦美奈 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved. 【他の記事を読む】⇒シリーズ「宇垣美里の沼落ちシネマ」の一覧はこちら <文/宇垣美里> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
次のページ 
画像をもっと見る
1
2
3
4
5
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ