→根性論を強いるよりも、精神を安定させる

メロンパンを出すと笑顔になる息子
次に、子どもの成績が上がらないときに、親が深刻に小難しく考えることをやめてみましょう。
特に子どもが小学校低学年の頃の学力差は純粋に学習量によるところが大きいですから、取り戻しは可能。高学年や中学生になっても、情緒的にプレッシャーや激励を与えるより、なるべく冷静に子どもに寄り添い、建設的に共感や理解をしてあげることの方が有効です。
まずは好きなことや得意科目に向かっているときの子ども機嫌や気分を観察してみてください。そしてその空気感をイメージしながら、子どもがご機嫌になるような食べ物を用意してみましょう。
我が子にとってはメロンパンがそれにあたります。私も小さな頃からパンが大好きで、食卓に珍しいパンが置いてあるとウキウキしたことを覚えています。
子ども2人を東大に合格させた母が強調していた言葉があります。
「親の不安は子どもに伝染してしまうの。だからとにかく親がどーんと構えていることが、子どもが能力を発揮するためには一番大事なのよ」

おいしそうなパンが食卓に置かれていると、何をするにもモチベーションアップにつながりました
学力が伸び悩んでいる時ほど、親が心の余裕を持つことは、子どもの精神安定にも少しずつ効果をもたらしてくれます。
→子どもからの積極的な発言を引き出す

親子で好きな飴について話し合ってみると、盛り上がります。先日はロングセラー商品の「純露」で盛り上がりました
親子関係が子どもの成績に与える影響性については、さまざまなところで研究が進んでいます。
例えば、ある研究(※)では、「学校での出来事や友達のこと」にとどまらず「勉強や成績のこと」「将来や進路」「地域や社会の出来事やニュース」について、親側に限らず子どの側からも積極的に話すコミュニケーションがとれていることが、高学力層の子どもの家庭の文化的特徴の一つであるとされています。
でもこれ、子どもがどんなに大きくなったとしても、いきなりやれと言われたら難しくないですか? 少なくとも我が家では不自然だと感じ、楽しい食テーマで実践しています。例えば、好きな飴について。子どもからどんどん発言してくれるはずです。

息子は自分が好きなブラックサンダーを私のカバンに入れてくれます。理由を聞いてみると面白い会話がはじまりました
また、ちょっとしたコミュニケーションのきっかけになるようなことも面白いと思います。ある日「ママのカバンにオススメのおやつを入れておいてくれる?」とお願いしたところ、ブラックサンダーが入るように。理由を聞くと、嬉しそうに話をしてくれます。
※「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(2017年・お茶の水女子大学)
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>