
魚田コットン『スカートの呪いが解けるまで 幼少期からの性被害が原因で女らしさ恐怖症になった私』(はちみつコミックエッセイ)
――魚田さんが”女性らしさ”に嫌悪感を抱くようになったのは、義父から性加害に遭ったことが大きかったのでしょうか。
魚田:義父がお風呂を覗こうとしたりすることが日常的にあったし、「女らしくしているとまた性的な目で見られるかもしれない」という気持ちが強かったです。
小学校では敢えて下ネタを言ってみたり子どもっぽく振る舞っていました。
「男子は下品な女の子は好きにならないだろう」と思って、女の子として見られたくなくてやっていましたね。男の子に対してはわざとサバサバした感じで対応していました。
――恋愛に対してはどう捉えていたのでしょうか。
魚田:少女漫画に描かれているような恋をしたいという願望はすごくあったのですが、そんな素敵な男子は現実にはいないですよね(笑)。
もしいたとしても、そんな素敵な男子が自分を好きになるわけがないと思い込んでいました。そういう自己肯定感の低さは性被害に遭ったことが関係していると思います。
――性被害によって、女らしさを嫌悪することがなければ、やってみたかったことはありますか?
魚田:青春時代に制服で恋愛をしたり、普通におしゃれして、普通に恋愛したかったです。そういう思いは、20代後半くらいまでずっとありました。
<取材・文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。